“コップ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:こっぷ
語句割合
洋盃43.1%
硝子盃13.7%
洋杯11.8%
硝子杯9.8%
5.9%
高脚3.9%
洋盞2.0%
玻璃杯2.0%
玻璃盞2.0%
2.0%
(他:2)3.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お兼さんは黒い盆の上にせた平野水ひらのすい洋盃コップを自分の前に置いて、「いかがでございますか」と聞いた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひそかに次の間へ立って、いつものウィスキーを洋盃コップで傾けようかと思ったが、ついにその決心に堪えなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ご病気だった。それだもの、湯ざめをなさると不可いけない。猪口ちょこでなんぞ、硝子盃コップだ、硝子盃。しかし、一口いかがです。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巻莨まきたばこ硝子盃コップを両手に、二口、三口重ねると、おさえた芝居茶屋の酔を、ぱっと誘った。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
枕元の朱塗の盆に散薬さんやくの袋と洋杯がっていて、その洋杯コップの水が半分残っているところも朝と同じであった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
スッポリと洋杯コップ全体がはまるような把手とってのついた、彫りのある銀金具の台がついているのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
またその手で、硝子杯コップの白雪に、鶏卵たまご蛋黄きみを溶かしたのを、甘露をそそぐように飲まされました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(ぐったりと叩頭おじぎして、頭の上へ硝子杯コップを突出す)——お旦那、もう一杯、注いで下せえ。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、どうも盛会ですな。」と、ビールのコップを右の手に高く翳しながら、蹌踉ひよろ/\と近づいて来る男があつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「いや、どうも盛会ですな。」と、ビールのコップを右の手に高くかざしながら、蹌踉ひょろひょろと近づいて来る男があった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
金欄手きんらんでの陶器の高脚コップで、酒盛りをしたものと見えて、私の家にも、その幾個いくつかがきていた。
妙なところへ東洋風の豪傑と江戸っ子の負け惜しみをもつ父は、かなりな大手術であったであろうに、わざわざ病室から離れまで出張して——枕も上らなかったように思えたのに、八端はったんのねんねこを引っかけて、曲彔きょくろくによりかかり、高脚コップのお酒を飲みながら腕を裂かれていた。
「代さん、あなた役者になれて」と聞いた、代助は何にも云わずに、洋盞コップを姉の前に出した。梅子も黙って葡萄酒の壜を取り上げた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「どうだ、一ぱい遣らないか」と、前にあった葡萄酒ぶどうしゅびんを持って振って見せた。中にはまだ余程這入っていた。梅子は手をたたいて洋盞コップを取り寄せた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
主婦かみさんかしげた大徳利の口を玻璃杯コップに受けて、茶色にいきの立つ酒をなみ/\と注いで貰ひ、立つて飲み乍ら、上目で丑松を眺める橇曳そりひきらしい下等な労働者もあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
奥様の御差図さしずで、葡萄酒を胡燵おこたの側に運びまして、玻璃盞コップがわりには京焼の茶呑茶椀ぢゃわんを上げました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御顔こそ御笑なすっても、深い歎息ためいき玻璃盞コップを御持ちなさる手の戦慄ふるえばかりは隠せません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「何が可笑をかしいツ」コップ取りなほして松島は打ちも掛からんずる勢、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「それは何でござんすね。」と、叔母はうす橙色オレンジいろのそのコップを遠くからすかして見た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
今一人狼窠より燻べ出された児は年はるかにわかかったが夜分ややもすれば藪に逃げ入りて骨を捜し這いあるく、犬の子のごとく悲吟するほか音声を発せず、これらの二児相憐愛し長者少者にコップより水飲む事を教えた