“さかずき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
盃58.5%
杯23.8%
酒杯6.0%
酒盃3.0%
盞3.0%
觴1.7%
巵1.1%
酒盞0.6%
献酬0.4%
白0.2%
盆0.2%
三々九度0.2%
別盃0.2%
朱杯0.2%
朱盃0.2%
洋杯0.2%
祝言0.2%
酒器0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ、いい事があらあ」釈迦(しゃか)の十蔵と云う未(ま)だ二十二三の男が叫んだ。彼は忠次の盃(さかずき)を貰ってから未だ二年にもなっていなかった。
入れ札 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
杯(さかずき)のめぐるままに、人々の顔には微醺(びくん)がただよう。——詩の話、和歌(うた)の朗詠、興に入って尽きないのである。と、思い出したように
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取止(とりと)めもない思いを辿っているうちに、空気が人いきれで重くなって、人々のさざめきや、皿の音や、酒杯(さかずき)に肉叉(にくさし)の触れる音や
孤独 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
見れば、細工場の片隅には、戸板をおいてそれへ皿、瓶(かめ)、酒盃(さかずき)、水入れのような雑器に、安い値をつけて、清水詣(きよみずもう)での往来の者に傍ら売っているのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
細君の心を尽した晩餐(ばんさん)の膳(ぜん)には、鮪(まぐろ)の新鮮な刺身に、青紫蘇(あおじそ)の薬味を添えた冷豆腐(ひややっこ)、それを味う余裕もないが、一盃(いっぱい)は一盃と盞(さかずき)を重ねた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
餐宴もすでに終らんとする時、キイツは突然觴(さかずき)をあげて、「ニュートンの想い出よ災いあれ」といって乾杯せんことを提議する。
近代美の研究 (新字新仮名) / 中井正一(著)
まず御坊が、かの徒然草に書かれましたる中に『よろずにいみじくとも、色好まざらん男はいと騒騒しく、玉の巵(さかずき)のそこなき心地ぞすべき』
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
周瑜(しゅうゆ)が手の酒盞(さかずき)を落したのである。そればかりか彼の髪の毛はそそり立ち、面は石のごとく硬ばっていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ外より入る者は、中(うち)に主(しゅ)たる無し、門より入る者は家珍(かちん)にあらず。白(さかずき)を挙げて楽(たのしみ)となす、何ぞ是(こ)れ至楽ならん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
白(さかずき)を挙げて 深きを辞せざりき。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二人は口を極めて平馬を賞め上げながら盆(さかずき)を重ねた。酌をしていた奥方までも、たしなみを忘れて平馬の横顔に見惚(みと)れていた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いつの間にか両手を支(つか)えていた平馬は、やっと血色を取返して微笑した。叱られるのではない事がわかるとホッと安堵して盆(さかずき)を受けた。赤面しいしいポツポツと話出した。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
承知させた……三々九度(さかずき)やさかい、ああした我(わが)ままな、好勝手な、朝云うた事は晩に変えやはる人やけど、こればかりは、私が附いているよって、承合(うけお)うて、どないしたかて夢にはせぬ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家士は上に、小者たちは縁下に、人数が揃うと図書から順に別盃(さかずき)が廻された。さかなには十八歳になる槁田藤三郎(こうだとうさぶろう)が起って平家を朗詠しながら舞った。
三十二刻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
次郎左衛門が、それへ冷酒(ひやざけ)と朱杯(さかずき)を運んできたので
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大事の瓦解(がかい)を眼にも見よとばかり、憤りをこめて、持っていた朱盃(さかずき)を、ばりばりっと、膝の上で握りつぶした。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さ、諸君、洋杯(さかずき)を挙げたまえ! 基督(キリスト)最後の晩餐(ばんさん)ということはあるが、これが伯爵ステーンセン追放のお別れだハハハハハハ」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
お前が此家(こゝ)に居ると伊之さんの病気が癒らないから、お前を出しちまって、死んだ花魁の位牌と祝言(さかずき)の真似事するとか、婚礼の真似事をすれば癒ると云う事なのだよ
雌蝶(めちょう)雄蝶(おちょう)の酒器(さかずき)は親戚の二人の少女によって運ばれた。仲人夫婦と花嫁と花婿。四人の顔には緊張の色が漲(みなぎ)った。やがて花嫁の前に盃が運ばれた。花嫁は顫える手をもって盃を取り上げた。
血の盃 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)