“一盃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっぱい45.8%
いつぱい20.8%
ひとつ16.7%
えっぺい4.2%
いっぺい4.2%
いつぺい4.2%
ひとつき4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文「どうぞ宜しく頼む、なるたけ人に知れぬよう、万一逃がしたら百日のなんとやら、そう事が分ったら一盃いっぱいやりましょう、これ町や」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「はあ、私もお相手を致しますから、一盃いつぱい召上りましよ。氷を取りに遣りまして——夏蜜柑なつみかんでもきませう——林檎りんごも御座いますよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
甲「いや貴方のおいでまでの事はないが、おで下されば千万有難いことで、何とも恐入りました、へゝゝ、ま一盃ひとつ召上れ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林「心配しんぺいしねえでもえ、大丈夫だよ、少し理由わけがあるだ、おけくさん、ま一盃えっぺい飲めなせえ、おまえ今日は平日いつもより別段におつこしいように思われるだね」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
早「欠伸い止せよ……これは少しだがの、われえ何ぞ買って来るだが、夜更よふけで何にもねえから、此銭これ一盃いっぺい飲んでくんろ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
坊主なんてひどいことをするぜ、尤も俺達も亂暴にや違ひないが、去年よ小石川の寺院てらでよ、初さんところの葬式の來るのが遲れたのでな、さきへ行つてゐた者が、一盃いつぺいやり始めたのよ
佃のわたし (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
兎も角も此一盃ひとつきを傾け給へといひつゝ、我前なる杯に葡萄酒を注がんとせしに、忽ちその手をとゞめて、おん身は心地惡しきにはあらずやと叫びぬ。