“いつぱい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イツパイ
語句割合
一杯52.3%
充滿18.2%
一盃9.1%
充満6.8%
充溢4.5%
一坏2.3%
一面2.3%
充分2.3%
全幅2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もり一杯いつぱいひゞいてうへへ/\とおそろしく人々ひと/″\こゝろ誘導そゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うへへかけるのが三枚さんまいといふ贅澤ぜいたくで、下階した六疊ろくでふ一杯いつぱいつて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
迷兒まひごかなしさが充滿いつぱいなので、そんなことにはがつきやしないんだらう、巡査じゆんさにすかされて
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
※畫室づぐわしつすで生徒せいとおよ生徒せいと父兄姉妹ふけいしまい充滿いつぱいになつてる。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「君はいつも妙な事を言ふ人ぢやね。アルフレッド大王とは奇想天外だ。僕の親友を古英雄に擬してくれた御礼に一盃いつぱいを献じやう」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
川地は黙つてスイと起ちつ「吾妻、居室ゐまへ来給へ、一盃いつぱい飲まう——骨折賃も遣らうサ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
昼頃から客がぽつ/\やつて来た。そして夕方には、広い玄関も殆ど充満いつぱいになつて、私は往来にまで履物を並べた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
文庫の中には保雄と美奈子の十年前の恋の手紙が充満いつぱい収めてある。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
智惠子は、片手に濡れた新坊の着物を下げて、時々心配顏に子供の顏を覗き乍ら、身近く吉野と肩を並べた。胸は感謝の情に充溢いつぱいになつてゐて、それで、口は餘り利けなかつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
智恵子は、片手に濡れた新坊の着物を下げて、時々心配顔に小供の顔を覗き乍ら、身近く吉野と肩を並べた。胸は感謝の情に充溢いつぱいになつてゐて、それで、口は余り利けなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一坏いつぱいの土あさましく頑石叢棘ぐわんせきさうきよくもとに神隠れさせ玉ひて、飛鳥ひてうを遺し麋鹿びろくあとを印する他には誰一人問ひまゐらするものもなき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おまへが初めて町の安床に行つた時……と又眼が憎さげに顫へる……がらがらと駆けて通つた囚人馬車がまるでおまへの頭を轢きつぶして鏡一面いつぱいに黄色く光つて行つた時、あの狆のやうな下司ばつた顔の親方が何と云つた。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
昼間の光に薄黄色い火の線と白い陶器せとものの笠とが充分いつぱいにダラリと延ばした紐の下で、畳とすれすれにブランコのやうに部屋中揺れ廻つて居る、地震かしらと思ふ内に赤坊あかんぼが裸で匍ひ出して来た、お内儀かみさんが大きなお尻だけ見せて、彼方あちら向いて事もあらうに座敷の中でパツと紺蛇目じやのめ傘を拡げる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
土間は広く、店全幅いつぱいの薬種屋式の硝子戸棚には曇つた山葵わさび色の紙が張つてあつて、其中ほどの柱に阿蘭陀渡の古い掛時計が、まだ正確に、その扉の絵の、眼の青い、そして胸の白い女の横顔のうへに、チクタクと秒刻の優しい歩みを続けてゐた。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)