“いっぺい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一杯53.8%
一盃7.7%
一兵7.7%
一平7.7%
一枰7.7%
一柄7.7%
一瓶7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おれ、苦しくて苦しくて、避病院にもなにも行かれねえわ。それより、水を一杯いっぺい飲ませてくんろ」
或る嬰児殺しの動機 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
早「欠伸い止せよ……これは少しだがの、われえ何ぞ買って来るだが、夜更よふけで何にもねえから、此銭これ一盃いっぺい飲んでくんろ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日は沓掛くつがけまで行って峠え越して、帰りに友達に逢って、坂本さかもと宿しゅくはずれで一盃いっぺいやって、よっぱれえになってけえって来たが、むま下湯そゝゆつかわねえで転輾ぶっくりけえって寝ちまった、ねむたくってなんねえ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
上海事変に於ては、戦闘区域は外国内に限られ、吾が日本領土内には敵の一兵いっぺいも侵入することを許さなかったのである。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「かの子さんはお嬢様じょうさま育ちだから一平いっぺいさんが世話をしないと他所よそへ出られないからいつでもついて行ってもらって居る。」
すなわチ都城ヲ距ルコト五、六里、丹羽ノ里ニ就イテ荘一区ヲ買フ。地ヲめぐツテ松ヲヱ、亭ヲソノ中ニ築キ以テ歌哭かこくノ地トナス。へんシテ万松亭トイフ。亭中ニ棋一枰いっぺい、書千巻ヲ蔵ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
兎も角も茶路に往って尋ねる外はない。妻児さいじを宿に残して、案内者を頼み、ゲートル、運動靴、洋傘かさ一柄いっぺい、身軽に出かける。時は最早もう午後の二時過ぎ。茶路までは三里。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うしろの床には、伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冊尊いざなみのみことの二神をまつって、そこにも一穂いっすい神灯みあかしと、一瓶いっぺい神榊みさかきと、三宝には餅や神酒みきが供えられてあった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)