“いち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イチ
語句割合
57.3%
23.5%
6.6%
位置5.1%
位地3.6%
定期市0.8%
一流0.5%
0.3%
一杯0.3%
一枚0.3%
0.3%
市場0.3%
意地0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人をいちに遣りて老畸人に我が来遊を告げしめ、われに許して彼が秘蔵の文庫に入りて、其終生の秘書なる義太夫本を雑抽ざふちうせしめたり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ダンディ埠頭クエイにはもうおそらく帰れぬだろうなあ。今度という今度は、いよいよいちばちかだ。われわれの北の方には鯨がいたのだ。
その証拠にはいちはやく乾雲を鞘走らせた隻眼せきがん片腕の刃妖左膳と、一歩さがって大刀の柄に手をかけた月輪軍之助の両剣妙を前面にひかえて、泰軒先生
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さうして學者がくしや文學者ぶんがくしやも、かならずしも上流社會じようりうしやかい人々ひと/″\ばかりでなく、かへってひく位置いちひとほう中心ちゆうしんうつつてるようになりました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
なにしろヒンクマン氏に長生きをされると、わたしの位地いちももう支え切れなくなりますから、現在大いに願っているのは、どこへか移転することです。
シャムラーエフ 〔一八〕七三年のポルタヴァの定期市いちで、あの女優はすばらしい芸を見せましたっけ。
さうであらう、校内一流いちの人だとお前も常にめたではないか、その人であるから決してお前を恨んで死ぬ、そんな事はあるはずがない、いきどほりは世間に対してなので
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
時計の針いちとⅠとにきたるときするどく君をおもひつめにき
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前にすくまって、下げ煙管ぎせるの投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ひっぱずし、沸立にたった湯をながしへあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦ざるそば一杯いちめた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……じつは、一寸ちよつとりて蕎麥そばにしたいところだが、かけ一枚いちなんぞは刹那主義せつなしゆぎだ、泡沫夢幻はうまつむげん、つるりとえる。俥代くるまだい差引さしひくとそのいづれかをえらばねばならないふところだから、其處そこ餡氣あんけで。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むつつりしたこはいかほつきでへん意地いちにかかつた仕合しあひになつてしまふ。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
この恥知らぬ唖の女等はたゞ天に指すばかり、又数多の狂人はいちに立つて、世の破滅を説く由。修道の隠者、流浪の学生たちは、いろいろの噂をしあふ。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
新たにとついちの子の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
「大變にお靜な方。いちゐなさるのかゐなさらないのか分らないくらゐよ。ちよい/\そこいらを往き來してる人は、あれはおうちから附いて來てる女中さんかい?」
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
えりを返して日に当らない所を他の部分と比較して見ると、それがいちじるしく目立った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)