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一
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いち
ふりがな文庫
“
一
(
いち
)” の例文
昨夜
(
ゆうべ
)
は
夜
(
よ
)
もすがら
靜
(
しづか
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて、
今朝
(
けさ
)
は
誰
(
た
)
れより
一
(
いち
)
はな
懸
(
が
)
けに
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
し、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でつけて
着物
(
きもの
)
もみづから
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ダンディ
埠頭
(
クエイ
)
にはもうおそらく帰れぬだろうなあ。今度という今度は、いよいよ
一
(
いち
)
か
八
(
ばち
)
かだ。われわれの北の方には鯨がいたのだ。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
しかし、
一
(
いち
)
自動車
(
じどうしや
)
の
手負
(
ておひ
)
如
(
ごと
)
きは、ものの
數
(
かず
)
でもない、
戰
(
たゝか
)
へば
勝
(
か
)
つ
驕將
(
けうしやう
)
は、
此
(
こ
)
の
張中
(
ちやうちう
)
の
説
(
せつ
)
を
容
(
い
)
れなかつた。
勇
(
ゆう
)
なり、また
賢
(
けん
)
なるかな。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
年から年中日がな
一
(
いち
)
ン
日
(
ち
)
ああしてあの奥の間へ通ずる障子の隙間から、まるで何者かを期待するかの様に表の往還を眺め暮している事。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
統計
(
とうけい
)
によれば、
餘震
(
よしん
)
のときの
震動
(
しんどう
)
の
大
(
おほ
)
いさは、
最初
(
さいしよ
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
のものに
比較
(
ひかく
)
して、
其
(
その
)
三分
(
さんぶん
)
の
一
(
いち
)
といふ
程
(
ほど
)
のものが、
最大
(
さいだい
)
の
記録
(
きろく
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
▼ もっと見る
それは
松脂
(
まつやに
)
の蝋で
練
(
ね
)
り固めたもので、これに類似した田行燈というものを百姓家では用いた。これは今でも
一
(
いち
)
の
関
(
せき
)
辺へ行くと
遺
(
のこ
)
っている。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
“——かねの茶わんに、竹の箸、
一
(
いち
)
ぜん飯とは情けない——”その一ぜん飯さえ食えなかった庶民史の方こそ、じつは歴史の主流なのだ。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下等船客
(
かとうせんきやく
)
の
一
(
いち
)
支那人
(
シナじん
)
はまだ
伊太利
(
イタリー
)
の
領海
(
りやうかい
)
を
離
(
はなれ
)
ぬ、
頃
(
ころ
)
より
苦
(
くる
)
しき
病
(
やまひ
)
に
犯
(
おか
)
されて
遂
(
つひ
)
にカンデイア
島
(
じま
)
とセリゴ
島
(
じま
)
との
間
(
あひだ
)
で
死亡
(
しぼう
)
した
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
どうせやるなら、みんなに
一
(
いち
)
どきにわけてやつて、時の間にさうした目ざわりのものをこのあたりから亡くして了ふ方が好い。
樹木と空飛ぶ鳥
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
汝信ずらく、汝の思ひは第一の思ひより我に移り、その
状
(
さま
)
あたかも
一
(
いち
)
なる數の知らるゝ時五と六とこれより分れ出るに似たりと 五五—五七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「そうだ、おせんちゃん。
帰
(
けえ
)
る
時
(
とき
)
にゃ、みんなで
送
(
おく
)
ってッてやろうから、きょう
一
(
いち
)
ン
日
(
ち
)
の
見世
(
みせ
)
の
話
(
はなし
)
でも、
聞
(
き
)
かしてくんねえよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其の西応房は
尾州
(
びしゅう
)
中島郡
(
なかじまごおり
)
一
(
いち
)
の
宮
(
みや
)
の生れであったが、猟が非常に好きで、そのために
飛騨
(
ひだ
)
の国へ往って猟師を渡世にしていた。
女仙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
野々宮君の妹と、妹の病気と、大学の病院を一所に
纏
(
まと
)
めて、それに池の
周囲
(
まはり
)
で
逢
(
あ
)
つた女を加へて、それを
一
(
いち
)
どきに
掻
(
か
)
き
廻
(
まは
)
して、驚ろいてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かの子 ただ何となく
垢抜
(
あかぬ
)
けした感じがします。あれは
散々
(
さんざん
)
今の新しさが使用し
尽
(
つく
)
された後のレベルから今
一
(
いち
)
だん洗練を
経
(
へ
)
た後に
生
(
うま
)
れた女です。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
今や、闇を
劈
(
つんざ
)
く電光の
一閃
(
いっせん
)
の中に、遠い過去の世の
記憶
(
きおく
)
が、
一
(
いち
)
どきに
蘇
(
よみがえ
)
って来た。彼の
魂
(
たましい
)
がかつて、この木乃伊に宿っていた時の様々な記憶が。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
殊に相手は
甥
(
おい
)
と云っても、天下の
一
(
いち
)
の
人
(
ひと
)
であり、昭宣公の跡を継いで
摂政
(
せっしょう
)
にも
関白
(
かんぱく
)
にもなるべき人であるのが、さすがに
骨肉
(
こつにく
)
の親しみを忘れず
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
(
貝塚土器
(
かひづかどき
)
の
破片
(
はへん
)
が、
僅
(
わづ
)
かに二三
片
(
ぺん
)
見出
(
みいだ
)
されたが、
貝
(
かひ
)
の
分量
(
ぶんりやう
)
から
比較
(
ひかく
)
して
見
(
み
)
ると、
何億萬分
(
なんおくまんぶん
)
の
一
(
いち
)
といふ
位
(
くらゐ
)
しかに
當
(
あた
)
らぬ)
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
深山
(
しんざん
)
にある
紅葉
(
もみぢ
)
はまた
種類
(
しゆるい
)
が
異
(
ちが
)
ひ、
一
(
いち
)
ばんうつくしいのは、はうちはかへでで、それは
葉
(
は
)
が
羽團扇
(
はうちは
)
のようで、
長
(
なが
)
さが
二三寸
(
にさんずん
)
もある
大
(
おほ
)
きなものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
このままじっとしていたら、
絞
(
し
)
め殺されるばかりだ。どうせ死ぬ命なら、この怪物を道連れに、
一
(
いち
)
か
八
(
ばち
)
か、命がけの冒険をやってみようと決心した。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一
(
いち
)
の
宮
(
みや
)
の渡を渡って分倍河原に来た頃は、空は真黒になって、北の方で
殷々闐々
(
ごろごろ
)
雷が攻太鼓をうち出した。農家はせっせとほし麦を取り入れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
また
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
のつゞいた
年代
(
ねんだい
)
は
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
に
比
(
くら
)
べて
大
(
たい
)
へん
短
(
みじか
)
く、
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
の
十分
(
じゆうぶん
)
の
一
(
いち
)
にも
足
(
た
)
りないくらゐです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「もゝつたふ」の歌、残された飛鳥の宮の執心びと、世々の藤原の
一
(
いち
)
の
媛
(
ひめ
)
に
祟
(
たた
)
る天若みこも、顔清く、声心
惹
(
ひ
)
く天若みこのやはり、一人でおざりまする。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
十月十五日に保は旧幕臣静岡県士族
佐野常三郎
(
さのつねさぶろう
)
の
女
(
じょ
)
松を
娶
(
めと
)
った。戸籍名は
一
(
いち
)
である。保は三十歳、松は明治二年正月十六日
生
(
うまれ
)
であるから十八歳であった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
風の吹きさらしにヤタ
一
(
いち
)
の客よりわるいかっこうをして釣るのでありまするから、もう遊びではありません。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
隣の座敷では二人の小娘が声を
揃
(
そろ
)
えて、
嵯峨
(
さが
)
やお
室
(
むろ
)
の花ざかり。長吉は首ばかり
頷付
(
うなずか
)
せてもじもじしている。お糸が手紙を
寄越
(
よこ
)
したのは
一
(
いち
)
の
酉
(
とり
)
の
前
(
まえ
)
時分
(
じぶん
)
であった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
建物いったいのアパートは、台所口が全部この階段に向かっていて、しかもほとんど
一
(
いち
)
ん
日
(
ち
)
あけ放されているので、むんむんするようないきれが立ちこめていた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
正雄がある朝十時ごろに、
一
(
いち
)
の
家
(
や
)
を訪ねて行くと、お庄は
半襟
(
はんえり
)
のかかった
双子
(
ふたこ
)
の薄綿入れなどを着込んで、縁側へ
幾個
(
いくつ
)
も
真鍮
(
しんちゅう
)
の火鉢を持ち出して灰を
振
(
ふる
)
っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
冷然たる医者は
一
(
いち
)
、
二語
(
にご
)
簡単な挨拶をしながら診察にかかった。しかし診察は無造作であった。
奈々子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この町人の
一
(
いち
)
まきはそれだけではない、後ろを見ると、十余名の芸妓、
雛妓
(
すうぎ
)
の
類
(
たぐい
)
がついている。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
一
(
いち
)
ん
日
(
ち
)
でも早く立ちたいんでせうよ。年寄のくせに気のいら/\した女ですからね。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ほとんど破産に
瀕
(
ひん
)
した
一
(
いち
)
騎兵大佐
(
きへいたいさ
)
にすぎず、母よりも六つも年下であるばかりか、その性格も冷やかで、弱気で
優柔
(
ゆうじゅう
)
で、おまけに
頗
(
すこぶ
)
る女好きな
伊達者
(
だてしゃ
)
であったと伝えられています。
「はつ恋」解説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
僕が大学を卒業した年の夏、
久米正雄
(
くめまさを
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
上総
(
かづさ
)
の
一
(
いち
)
ノ
宮
(
みや
)
の海岸に遊びに行つた。
微笑
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は気味が悪かったが、眼を
閉
(
ふさ
)
いで口の中で
一
(
いち
)
ッ、
二
(
に
)
ッとかけ声を出して、
自
(
みず
)
から勇気をはげまして駆け出した。私の下駄の力の入った踏み音のみが、
四境
(
あたり
)
の寂しさを破って響いた。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わが必然の
一
(
いち
)
といふ係數の
後
(
あと
)
に幾多の
零
(
れい
)
がつづく如き無數無限の星影を映さむのみ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
それより以前にも一度、汽車で
白河
(
しらかわ
)
を越し、秋草のさきみだれているのを車の窓からながめて、行って、仙台よりも先の
一
(
いち
)
の
関
(
せき
)
というところにある知り人をたずねたこともあります。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一、官の学校は、官とその盛衰をともにして、官に変あれば校にも変を生じ、官、
斃
(
たおる
)
れば校もまた斃る。はなはだしきは官府
一
(
いち
)
吏人
(
りじん
)
の進退を見て、学校の栄枯を
卜
(
ぼく
)
するにいたることあり。
学校の説:(一名、慶応義塾学校の説)
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
仕事の手が放せないのをいいことに、栄二はずっと会わなかったが、毎月
一
(
いち
)
の日が休みということがわかったのだろう、八月の十一日に来たときは、また岡安喜兵衛に呼ばれたので会った。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
間といふものが重要な一つのリズムの
一
(
いち
)
モメントだといふことがあつて、小説の場合と全然違ふけれども、さうかといつて小説の会話といふのは、非常に小説がリアリスティックなものならば
対話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
知らない。君たちは、たつたいま、
一
(
いち
)
の鳥居をくぐつただけだ。
ダス・ゲマイネ
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
須貝 僕は親切でないのか、今日は
一
(
いち
)
ん
日
(
ち
)
遊んでやったんだぞ。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
きゅうに涼しさと寒さとが
一
(
いち
)
どきに体温にかんじられた。
蛾
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
山
二日
(
ふつか
)
一
(
いち
)
の
輿丁
(
よちやう
)
のうた声になびくならひの紫丁香かな
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一
(
いち
)
んちどじばかり踏んで、どうしただよ。生員。
蕎麦の花の頃
(新字新仮名)
/
李孝石
(著)
知らじや、われはわだつみの
船盜人
(
ふなぬすびと
)
の
一
(
いち
)
の者
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
酒
(
さか
)
つくり搾り出だしし
一
(
いち
)
の酒。見よその彼等
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
天地
(
あめつち
)
にこよなき
眞
(
まこと
)
、
澄
(
す
)
みわたる
一
(
いち
)
の信義は
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「静かに坐れエ!
一
(
いち
)
ツ、
二
(
に
)
ツ!」
仔猫の裁判
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
みんながびくびく、
一
(
いち
)
、
二
(
にい
)
、
三
(
さん
)
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
手は
断
(
た
)
えず
一
(
いち
)
から図を引け
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
どうぞや
一
(
いち
)
ペンニイ
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“一”を含む語句
一寸
一時
一昨日
一杯
唯一
一昨年
万一
一人
一切
一片
一通
同一
一日
一向
一方
一層
一端
一夜
一番
一生
...