“一通”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひととお36.7%
ひととおり22.8%
ひととほ13.9%
ひととほり8.9%
いつゝう5.1%
いつつう3.8%
ひとゝほ3.8%
いツつう1.3%
かずみち1.3%
ひとゝおり1.3%
ひとゝほり1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新吉(しんきち)は、九つのとき、ほんの一夜(や)、病気(びょうき)になって臥(ね)たばかりで死(し)んでしまいました。弥吉(やきち)じいさんの、歎(なげ)きは一通(ひととお)りでありません。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
医者は神経衰弱だというそうですが、不眠性に罹(かか)って、三日も四日も、七日(なぬか)ばかり一目もお寝(やす)みなさらない事がある。悩みが一通(ひととおり)じゃない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
細々(こま/″\)しい臺所(だいどころ)道具(だうぐ)の樣(やう)なものは買(か)ふ迄(まで)もあるまい、古(ふる)いので可(よ)ければと云(い)ふので、小人數(こにんず)に必要(ひつえう)な丈(だけ)一通(ひととほ)り取(と)り揃(そろ)えて送(おく)つて來(き)た。其上(そのうへ)
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
教祖島村美支子(みきこ)の一代記から、一通(ひととほり)の教理まで、重々しい力の無い声に出来るだけ抑揚をつけて諄々(くどくど)と説いたものだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
文字(もじ)はやがて耳(みゝ)の側(わき)に恐(おそ)ろしき聲(こゑ)もて咡(さゝや)くぞかし、一通(いつゝう)は手(て)もとふるへて卷收(まきをさ)めぬ、二通(につう)も同(おな)じく三通(さんつう)四通(しつう)五六通(ごろくつう)よりは少(すこ)し顏(かほ)の色(いろ)かはりて見(み)えしが、八(はつ)、九(く)、十通(じつゝう)、十二通(じふにつう)
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて、温泉宿(ゆのやど)に帰(かへ)つたが、人々(ひと/″\)は、雪枝(ゆきえ)の顔(かほ)の色(いろ)の清々(すが/\)しいのを視(なが)めて、はじめて渡(わた)した一通(いつつう)の書信(しよしん)がある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
分(わ)けて最初(さいしよ)、其(そ)のめがねで召抱(めしかゝ)へた、服部家(はつとりけ)の用人(ようにん)關戸團右衞門(せきどだんゑもん)の贔屓(ひいき)と目(め)の掛(か)けやうは一通(ひとゝほ)りでなかつた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
さて御料理番(おれうりばん)に折入(をりい)つて、とやせむかくやせむと評議(ひやうぎ)の上(うへ)、一通(いツつう)の獻立(こんだて)を書附(かきつけ)にして差上(さしあ)げたり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
弟には忠利が三斎(さんさい)の三男に生まれたので、四男中務(なかつかさ)大輔(たゆう)立孝(たつたか)、五男刑部(ぎょうぶ)興孝(おきたか)、六男長岡式部寄之(よりゆき)の三人がある。妹(いもと)には稲葉一通(かずみち)に嫁した多羅姫(たらひめ)、烏丸(からすまる)中納言(ちゅうなごん)光賢(みつかた)に嫁した万姫(まんひめ)がある。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
こゝはもう終点に近いので、乗る客が割合に少いのは混雑をいくらか減少はしていたけれども、その一人々々を見逃さないようにするのは一通(ひとゝおり)の骨折ではなかった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
一通(ひとゝほり)の声(こゑ)ではない、さつきから口(くち)が利(き)けないで、あのふくれた腹(はら)に一杯(いつぱい)固(かた)くなるほど詰(つ)め込(こ)み/\して置(お)いた声(こゑ)を、紙鉄砲(かみでつぱう)ぶつやうにはぢきだしたものらしい。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)