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一通
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いつつう
さて、
温泉宿に
帰つたが、
人々は、
雪枝の
顔の
色の
清々しいのを
視めて、はじめて
渡した
一通の
書信がある。
本當に
奇妙な
事だと
思つて
居ると、
或日の
事、ウルピノ
山中とて、子ープルスの
街からは
餘程離れた
寒村の、
浮世の
外の
尼寺から、
一通の
書状が
屆きました、
疑もなき
亞尼の
手跡で
人傳の
文一通それすらもよこさぬとは
外面如菩薩、
内心はあれも
如夜叉め。