“清々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すがすが67.3%
せいせい16.3%
すが/\8.7%
せい/\2.6%
さわさわ1.0%
すが/″\1.0%
スガヽヽ1.0%
きよ/\0.5%
さやさや0.5%
すかすが0.5%
スガスガ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
霧とも云えないほど薄すらとしたものが、植込の下影に逃げ迷っていて、清々すがすがしく打晴れた空には、薔薇色の光が一面に流れていた。
人の国 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「ああ、これて清々せいせいした。」と、お葉は酔醒よいざめの水を飲んだ。お清はあきれてその顔を眺めている処へ、のお杉ばばあの声が聞えたのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「しばらくの間、少しは清々すが/\しいところへいらつしやい。」と彼は云つた。「あの家はまるで牢獄だ。そんな感じがしませんか?」
さぞ清々せい/\するだらうと言つた、そんな事しか考へて居なかつたのですが、行つて見ると、それどころの騷ぎではありません。
清々さわさわに根引く冬菜は野に積みて置き足らはしぬ横山のごと
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
日は眞晝、眼前の瀬は日光を受けて銀色に光り、峽間はざまの風は極めて清々すが/″\しく吹き渡り、こまかな榎の枝葉は斷えず青やかな響を立てゝそよめいてゐた。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
其がナンと、此世の惡心も何もかも、忘れ果てゝ清々スガヽヽしい心になりながら、唯そればかりの一念が、殘つて居ると、申します。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
解剖臺の二つ置いてある廣やかな解剖室の白壁は眞夏の朝日の光と、青葉の射翠とで青み亙るほどに清々きよ/\しく準備されてゐた。助手と見學の同僚とが六人ほど彼れの來るのを待ちかまへてゐた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
事しありて君とこそ行け我どちは音清々さやさやし響かひ行かむ (加藤武雄氏に)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
妾は近頃になく心の清々すかすがしさを感ぜしものから、たとえばまなこを過ぐる雲煙うんえんの、再び思いも浮べざりしに、はからずも他日たじつこの女乞食と、思いもうけぬ処に邂逅であいて、小説らしき一場いちじょうの物語とは成りたるよ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
其がナンと、此世の悪心も何もかも、忘れ果てゝ清々スガスガしい心になりながら、唯そればかりの一念が、残つて居る、と申します。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)