“酔醒”のいろいろな読み方と例文
旧字:醉醒
読み方割合
よいざ28.6%
よいざめ28.6%
よひざめ7.1%
えいざ7.1%
えいざめ7.1%
すいか7.1%
ゑひさ7.1%
ゑひざめ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言って、救いの主見たいなお坊さんを、夜寒む、酔醒よいざめで、風邪かぜを引かしちゃあ申訳ない、これでも掛けて上げましょうね。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「ああ、これて清々せいせいした。」と、お葉は酔醒よいざめの水を飲んだ。お清はあきれてその顔を眺めている処へ、のお杉ばばあの声が聞えたのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二人は又接穂つぎほなさに困つた。そして長い事もだしてゐた。吉野はう顔のほてりも忘られて、酔醒よひざめの佗しさが、何がなしの心の要求のぞみと戦つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「水道橋まで歩行くが可い。ああ、酔醒えいざめだ。」と、衣紋えもんゆすって、ぐっと袖口へ突込んだ、引緊ひきしめた腕組になったと思うと、林檎りんごの綺麗な、芭蕉実バナナふんと薫る、あかり真蒼まっさお
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
酔醒えいざめか。寒くはないか。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寒さ暑さで飲む人への心持もちがうだろうし、息せき切ってきた人の水の飲み方と、酔醒すいかの水千両の飲み方ももちろんちがった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
鬚深ひげふか横面よこづら貼薬はりくすりしたる荒尾譲介あらおじようすけは既にあを酔醒ゑひさめて、煌々こうこうたる空気ラムプの前に襞襀ひだもあらぬはかまひざ丈六じようろくに組みて、接待莨せつたいたばこの葉巻をくゆしつつ意気おごそかに、打萎うちしをれたる宮と熊の敷皮をななめに差向ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それから感情がしづまると、「これも皆お前が可愛かはいいからだ」といふやうな愚痴を、わたしはしきりと説いた。酔醒ゑひざめの風が冷いやうに、娘の心の離反に対する不安がわたしには冷かつた。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)