“婆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばあ47.9%
ばば20.9%
ばばあ9.9%
4.7%
ばゞ3.8%
ばゞあ3.4%
ばア2.2%
ばゝ2.2%
ばゝあ1.8%
ばゞア1.3%
ばんば0.2%
ばあや0.2%
ばん0.2%
ひと0.2%
やりて0.2%
をばばあ0.2%
ウバ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隣室の沈黙につれ、紀久子はその身体からだばあやの手にまかすようにした。婆やは紀久子の肩に手をかけて、ベッドの上へ静かに寝かした。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
お前様みたいな方は、若いうちも年取りなっても同じなんべえけど、己等みたいなものは、ばばになったらはあ、もうこれだ、これだ。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
煮豆屋のばばあが口を利いて、築地辺の大会社の社長が、事務繁雑の気保養に、曳船の仮の一人ずみ、ほんの当座の手伝いと、頼まれた。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この下宿の主婦も日本アさんと呼ばれて居るが、ミユンヘンのヒルレンブラント婦人に比べられる様な親切な人柄では無かつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
とある村立共同浴場の湯氣の中から廣くまるい肩の一角を見せた存在物がうして民謠「ばゞこし」を唄ひだした。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
私のような弱いばゞあの前では、咽喉のどをしめるのなんのと云って脅しました、先生の前ではなんとも云えまい、咽喉をしめるなら締めて見ろ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ばアさんの肩へ手をかけて揺ぶりながら耳に口をつけて呼んで見たが、返事はなく、手を放せばたわいなく倒れてしまふらしい。
買出し (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
受け御手當金てあてきん百兩と御墨附おすみつき御短刀までのち證據しようことて下されしことちく物語ものがたればお三ばゝは大いによろこび其後は只管ひたすら男子の誕生たんじやうあらんことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そう幾つも手が有りませんと、強情ッぱりばゝあだ……さ此方へ………お変りもございませんで……御難渋の事で、かねて承わって居りますが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いや/\ばゞアに碌に手当もせんが、今日は少し迷惑だろうが、少しの間座敷を貸してくれ、弁当は持参してまいったから、決して心配を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
待て待て、さきはま鍛冶屋かじやばんばじゃの、海鬼ふなゆうれいじゃの、七人御崎みさきじゃの、それから皆がよく云う、弘法大師こうぼうだいし石芋いしいもじゃの云う物は、皆仮作つくりごとじゃが、真箇ほんとの神様は在るぞ
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
降誕祭クリスマスの朝、彼は癇癪を起した。そして、家事の手伝に来ていたばあやを帰して仕舞った。
或る日 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その子は貰ひ子で、栄一はその鬼のお婆が貰ひ子殺しであることも、近処の人々から『鬼のおばん』と云ふあだ名をつけられて居ることも知つて居た。
あのひとは、丁度お前のお母さんと違って口の上手な人でもあるし、また若い時から随分種々な目にも会っている女だから
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
やりてをひとりつけまして送り届けましたところ、ほんの近くまでちょいと用達しにいったそのすきに、もう姿が見えなくなったのでござります
そしてこれらの諸品がウバヒガンすなわちタチヒガンと縁の無いことは、その葉を検すればぐにかるのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
答ふる方ではパーリ語の(Samghādisesa)を頭にもつて答へたやうだ、又は阿婆に決して初と云ふ意味はないが「アーディ」には、前きに、しば/\云つたやうに始と云ふ意味がある
婚姻の媒酌 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)