“娑婆気”のいろいろな読み方と例文
旧字:娑婆氣
読み方割合
しゃばっけ41.2%
しゃばけ35.3%
しゃばッき11.8%
しゃばき5.9%
しやばけ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つむじ曲りが、娑婆気しゃばっけな、わざと好事ものずきな吾妻下駄、霜に寒月の冴ゆるの更けて帰る千鳥足には、殊更に音を立てて、カラカラと板を踏む。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、この絵図面は見ねえ方がよかったな、これを見たために、せっかくの娑婆気しゃばけが立ちおくれをして、どうやらもとのがんりきに戻ってしまいそうだ
いたずらに鼻がたかく目のくぼんだ処から、まだ娑婆気しゃばッきのある頃は、暖簾のれんにも看板にも(目あり)とかいて、煎餅せんべいを焼いて売りもした。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、入る時見た、襖一重ふすまひとえが直ぐ上框あがりかまち兼帯の茶の室で、そこに、まげった娑婆気しゃばきなのが、と膝を占めて構えていたから。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いくら苦しくても拙でも云はねば済まぬ声だから、尤も娑婆気しやばけを離れた邪気のない事である。殆んど自然と一致したわたくしの少い声である。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)