艇長の遺書と中佐の詩ていちょうのいしょとちゅうさのし
昨日は佐久間艇長の遺書を評して名文と云つた。艇長の遺書と前後して新聞紙上にあらはれた広瀬中佐の詩が、此遺書に比して甚だ月並なのは前者の記憶のまだ鮮かなる吾人の脳裏に一種痛ましい対照を印した。 露骨に云へば中佐の詩は拙悪と云はんより寧ろ陳套を …