“猶且”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なおか28.6%
なほかつ28.6%
なほか14.3%
やはり14.3%
やつぱり7.1%
なおかつ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此光輝ある時期に際会しながら、猶且なおかつ厭世哲学を説くハルトマンの如きは畢竟ひっきょうずるに一種の精神病者に過ぎないと彼は断言した。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
余に至つては、さらに懐疑の方向に一歩を進めて、その言辞を実現し得たる時にすら、猶且なほかつ其誠実を残りなく認むるあたはざるを悲しむものである。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
広瀬河畔の晩翠を知らむと欲せば、必ずしも之を詩を知る者に聞くを要せざる也。僻陬へきすう村夫子そんふうし猶且なほかつ彼が名を記して幸福なる詩人と云ふ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ミハイル、アウエリヤヌヰチも猶且やはり初中終しよつちゆう、アンドレイ、エヒミチを訪問たづねてて、氣晴きばらしせることが自分じぶん義務ぎむ心得こゝろえてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おつぎは燒趾やけあと始末しまつせはしいあひだにも時々とき/″\卯平うへいた。しか卯平うへいなぐさめるに一せんたくはへもないおつぎは猶且やつぱりなん方法はうはふ手段しゆだん見出みいだなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
雪之丞の父親を籠絡ろうらくして、不義の富を重ねていた頃、最高級の長崎奉行の重職を占め、本地の他に、役高千石、役料四千四百俵、役金三千両という高い給料を幕府から受けながら、猶且なおかつあきたらず
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)