“なほか”の漢字の書き方と例文
語句割合
猶且100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広瀬河畔の晩翠を知らむと欲せば、必ずしも之を詩を知る者に聞くを要せざる也。僻陬へきすう村夫子そんふうし猶且なほかつ彼が名を記して幸福なる詩人と云ふ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しづかな、おだやかな日中ひなかしよして、猶且なほか暴風ばうふうまれ、らるゝ、瞬間しゆんかんおもむきあり。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人やゝもすれば、人生を夢幻と云ひ、空華くうげと云ふ、一念ここに至れば、空華の根柢に充実せる内容あり、夢幻の遷転影裡せんてんえいり猶且なほか煢然けいぜんたる永久の覚醒かくせいあり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日常瑣々ささの事、猶且なほかつ味はひ来れば無限の趣味あり、無限の秘密あり、無限の教訓ありて、我等をして思はず忸怩ぢくぢとして無謀の行動を敢てせざらしむる者也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)