“煢然”の読み方と例文
読み方割合
けいぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろ我がみひとつ煢然けいぜんたる影をも納めて、野に山に棄つるがごとく、絶所、僻境へききょうを望んで飛騨山中の電信局へ唯今赴任する途中である。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人やゝもすれば、人生を夢幻と云ひ、空華くうげと云ふ、一念ここに至れば、空華の根柢に充実せる内容あり、夢幻の遷転影裡せんてんえいり猶且なほか煢然けいぜんたる永久の覚醒かくせいあり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
杖笠を棄ててたたずんだ順礼、どうしゃの姿に見せる、それとても行くともかえるともなく煢然けいぜんとして独りたたずむばかりで、往来の人はほとんどない。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)