“やつぱり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
矢張88.5%
猶且1.9%
仍且1.9%
依然1.9%
依旧1.9%
果然1.9%
猶旦1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実は君の叔父さんからも種々いろ/\御話が有ましたがね、叔父さんも矢張やつぱり左様さういふ意見なんです。何とか君、うまい工夫はあるまいかねえ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おつぎは燒趾やけあと始末しまつせはしいあひだにも時々とき/″\卯平うへいた。しか卯平うへいなぐさめるに一せんたくはへもないおつぎは猶且やつぱりなん方法はうはふ手段しゆだん見出みいだなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それからまた日目かめほとけおくつて村落むらもの黄昏たそがれ墓地ぼちうた。へび猶且やつぱり棺臺くわんだいかげらなかつた。へび自由じいう匍匐はらばふにはあまりに瘡痍きずおほきかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
有仰おつしやれば、女だツて仍且やつぱりうでございませうよ。出來る事ならひとりでゐた方が幾ら氣樂きらくだか知れやしません。」とひやゝかにいふ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
今日は日曜だから、お前と一しよ何處どこへか出掛けやうと思ツてゐたんだが、これぢや仍且やつぱりうち睨合にらみあひをしてゐるしかないな。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ふか罪惡ざいあく包藏はうざうしてない事件じけんはそれでんだ。勘次かんじ依然やつぱりおつぎにはたゞひとつしか大樹たいじゆかげであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
白晝ひる横頬よこほゝあつほどけたが周圍あたり依然やつぱりつめたかつた。ほりあさみづにはれもつめたげに凝然ぢつしづめたかへるだまつてかれた。とほ田圃たんぼかれ前後ぜんごたゞ一人ひとり行人かうじんであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうして依旧やつぱり鴫沢しぎさわの跡は貫一さんにとらして下さいよ、それでなくては私の気が済まないから。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だものだから、近頃ぢや、貴方に逢ふとぢきに涙が出て、何だか悲くばかりなるのが不思議だと思つてゐたら、果然やつぱりかう云ふ事になるしらせだつたんでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それでも猶旦やつぱりだまされぬときちひさなあなから熱湯ねつたうをぽつちりとしりそゝげばたこかならあわてゝ漁師れふしまへをどす。あつい一てきによつて容易よういたこだまされるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)