“巧”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うま35.9%
たく29.8%
たくみ29.8%
うめ1.1%
たくら1.1%
こう0.4%
うも0.2%
かう0.2%
かんがえ0.2%
たくま0.2%
(他:4)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし昔の道を杓子定規しゃくしじょうぎにそのままんで、それでうまく世が治まるくらいなら、誰も苦労はしないよ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ずるい道具屋などはそれをい事にして、よく贋物にせものを持ち込んでは、うま箱書はこがきを取らうとする。
鉛筆えんぴついろはどんなにたくみにいても到底たうていチヨークのいろにはおよばない。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
山「成程妙にたくんだもので……お蘭さん其のまアお前の亭主から贈ったという手紙をお見せなさい、まあサ見なくては解らんから」
塲面ばめん々々のかんじとあひ俟つて音響おんけう効果こうくわじつたくみもちゐられてゐるが
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
神職 野槌か、ああ、聞いてもいまわしい。……人目に触れても近寄らせまいたくみじゃろ、たくんだな。解け、解け。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
字引をコツコツ引いて油汗をダクダク出して考え考え読んで、なるほどコイツはうめエやではちっとも面白くないと言った。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「つまらねえ広告をしてやがる! だがあの乞食もうめえことを考えつきやがったな。」乞食はその言葉が聞えたか聞えないか、ふと頭を上げて周囲を見廻した。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
叔父と甥と、何かたくらんでいるらしく、その場の光景が、しばらくぶりで帰って来たお銀の目に映った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「兎に角、近頃若菜が僕と親しくなるので、ひどく神経を立てて居た者のあることを記憶して下さい、——僕は若菜のかたきを討ち度いという外に何んのたくらみも無いんだから」
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「凡百ノ技、こうニ始マリ、拙ニ終ル、ニ出デテ不思ふしニ入ル、故ニ巧思極マル時ハすなはチ神妙ナリ。神妙ナル時ハ則チ自然ナリ。自然ナルモノハ巧思ヲ以テ得ベカラズ、歳月ヲ以テ到ルベカラズ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
勿論もちろん、描いた人物を判然はっきり浮出うきださせようとして、この彩色さいしょく塗潰ぬりつぶすのは、の手段に取って、か、か、こうか、せつか、それは菜の花のあずかり知るところでない。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そりゃあ有難いことです。わたくしは下手へたでも上手じょうずでも、まあまあこれで押して行かれますが、弟はこれから皆さんのお引立てを願わなければならない体ですから、評判が好いのは何よりです。まったく兄貴よりうもうござんすかえ。そりゃあ有難い、有難うございます。」
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、先生の短歌や発句はかうは即ち巧であるものの、不思議にも僕等に迫つて来ない。
万物の造り主である活ける神は、人のわざかんがえとをもって石から造られる神とは違う。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
珍々先生は生れ付きの旋毛曲つむじまがり、親に見放され、学校は追出され、その後は白浪物しらなみものの主人公のような心持になってとにかくに強いもの、えばるものが大嫌いであったから、自然とたくまずして若い時分から売春婦にはれられがちであった。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
女「大層いたしますね、今度の狂言は中々大入で、私が参りましたら一杯で、尤も土曜日でございましたが、ぎっしりでございましたよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(三) ことよくし色をよくする(人)は、すくなし、仁あること。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
と謡うほどだから、奥山人が、代々に伝えた紙細工に、わざを凝らして、千道百綱をにじのように。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唯副産物の量を少くして、殆ど皆無と見ゆるに至るまでにするのが従来の作家の理想ではあるが、又一方に、この副産物をタクミに利用するといふことも、詩としてはあながちにシリゾくべきことではないと思ふ。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)