“巧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うま35.2%
たくみ30.7%
たく29.5%
たくら1.2%
うめ1.0%
こう0.4%
0.2%
うも0.2%
かう0.2%
かんがえ0.2%
たくま0.2%
たくむ0.2%
0.2%
よく0.2%
わざ0.2%
タクミ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実験室の中で、一人でコツコツやっているときには、すらすらと行く実験も、大勢の人の前でやって見せると、決してうまく行かない。
テレビの科学番組 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
是等これらわば従であり人が主であるから、必要に迫らるれば、随分無理をして、といっても、たくみに自然を利用することを忘れないで
(新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
さらに一方花垣志津馬は、無頼の浪人を手下とし、葉末さん誘拐を企てたり、琢磨氏殺害をたくんだり、いろいろ奸策をしたそうです。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二人で相談してこんな芝居を打つといふ微妙びめうな細工は、半次や助七の智惠では出來さうもなく、それほど深いたくらみがないとすれば、お互に疑はれた業腹さで
字引をコツコツ引いて油汗をダクダク出して考え考え読んで、なるほどコイツはうめエやではちっとも面白くないと言った。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
勿論もちろん、描いた人物を判然はっきり浮出うきださせようとして、この彩色さいしょく塗潰ぬりつぶすのは、の手段に取って、か、か、こうか、せつか、それは菜の花のあずかり知るところでない。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その次に教養が高すぎ、又その上に困ったことに、文章がますぎる。つまり俗に通じる世界が稀薄なのである。
花田清輝論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
まったく兄貴よりうもうござんすかえ。そりゃあ有難い、有難うございます。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
詩歌はその又微妙なものさへつかめば、或程度の巧拙かうせつなどは余り気がかりになるものではない。が、先生の短歌や発句はかうは即ち巧であるものの、不思議にも僕等に迫つて来ない。
それはまことに正しい。万物の造り主である活ける神は、人のわざかんがえとをもって石から造られる神とは違う。それは手で造った殿堂に住まない。また人の手で犠牲をささげられることを要せない。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
自然とたくまずして若い時分から売春婦にはれられがちであった。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
押領あふりやうせんとたくむ智慧ちゑの深き事はかるべからずと雖も英智の贋物にせものにして悉皆こと/″\邪智じやち奸智かんちと云ふべし大石内藏助は其身放蕩はうたうと見せて君のあだを討ちしは忠士の智嚢ちなうを振ひ功名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女「大層いたしますね、今度の狂言は中々大入で、私が参りましたら一杯で、尤も土曜日でございましたが、ぎっしりでございましたよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(三) ことよくし色をよくする(人)は、すくなし、仁あること。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
代々に伝えた紙細工に、わざを凝らして、千道百綱をにじのように。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この副産物をタクミに利用するといふことも、詩としてはあながちにシリゾくべきことではないと思ふ。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)