“たくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
73.1%
14.0%
計画3.8%
3.2%
1.6%
巧謀1.1%
1.1%
企謀0.5%
企図0.5%
計畫0.5%
陰謀0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それらの電報がことごとく嬢の耳へ筒抜けになるとの計算の下に、偽電を至る所へ打って嬢を惑乱させようとたくらんでいるのであった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
梶はそんなに反対の安全率の面から探してみた。絶えず隙間すきまねらう兇器の群れや、嫉視しっし中傷ちゅうしょうの起すほのおは何をたくらむか知れたものでもない。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
酒をあおって酔いつぶれてしまったこともありましたが、いけません。故意と避けようと計画たくらむと、なおさらはっきり鮮かに見るのです。
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
叔父と甥と、何かたくらんでいるらしく、その場の光景が、しばらくぶりで帰って来たお銀の目に映った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼らは知を誇らず、風におごらない。奇異とか威嚇いかくとか、少しだにそれらのたくらみが含まれない。いどむこともあらわなさまもなく、いつも穏かであり静かである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「いいえ。それが変なのよ。だって、あんまり廻り合わせが悪過ぎるじゃないの。あたし何だか姫草さんが細工して、会わせまい会わせまいと巧謀たくらんでいるような気がするの」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お浦は秀子を虎の穴へ閉じ込めて殺そうとまでたくらんだ女ではないか、併しまさかに女の手で、幾等大胆にもせよ斯様な惨酷な仕業しわざは出来ようとも思われぬ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
続いて頸窪を両手で圧える。それを繰返すばかりであるから、これが企謀たくらんだ処で、自分の身の上の事に過ぎぬ。あえて世間をどうしようなぞという野心は無さそうに見えたのに——
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
這奴しゃつ窓硝子まどがらす小春日こはるび日向ひなたにしろじろと、光沢つやただよわして、怪しく光って、ト構えたていが、何事をか企謀たくらんでいそうで、その企謀たくらみの整うと同時に、驚破すわ事を、仕出来しでかしそうでならなかったのである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしのまんまるく太った子供の相撲取すもうとりのような男の顔を見ていると、彼が悪事を企図たくらむような種類の人間だとは思えなくなった。帆村は勢い率直な質問をこの男に向ってする勇気を得たのだった。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてなにか祕密におそろしいことを計畫たくらんでゐる
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃 (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
……かなしや/\、此身このみのやうな孱弱かよわものてんまでが陰謀たくらんでめさいなむ!……これ、乳母うば、どうせう? うれしいことをうてたも。なんなぐさめはないかいの?