“企”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たくら33.0%
たく25.7%
くわだ23.3%
くはだ6.1%
くわだて5.8%
くはだて3.2%
たくみ1.5%
だく0.5%
くわだつ0.2%
たくらみ0.2%
もくろ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年齡よりはけて見える物腰、よく禿げた前額、柔和な眼——すべて典型的な番頭でこの男だけは惡いことをたくらみさうもありません。
早速これは引つ込めますが、親分さん、私は決して、良くない事をたくらんで、親分さんのお力を拜借に參つたのではございません。
今の人民の世界にいて事をくわだつるは、なお、蝦夷地えぞちに行きて開拓するが如し。事の足らざるはうれいに非ず、力足らざるをうれうべきなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それはあの弱々しい美しいお糸が考へさうも無い惡魔あくま的なくはだてですが、平次の推理には素より一點の疑ひをはさみやうもありません。
尾瀬沼は如何いかにして保存すべきか。学生村を創設し、享楽場として自然を有意義に利用せんとするくわだては学生村設立趣意書に発表してある。
尾瀬沼の四季 (新字新仮名) / 平野長蔵(著)
如何いかなるくはだてか、内證ないしようはずわざ打明うちあけて饒舌しやべつて、紅筆べにふで戀歌こひうた移香うつりがぷんとする、懷紙ふところがみうや/\しくひろげて人々ひと/″\思入おもひいれ十分じふぶんせびらかした。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本腹の金之丞へ毒薬を授け金之丞を毒殺致して妾の腹に出来たる鐵之丞を家督に直さんというたくみを致した事は上に於て篤と調べが届いてるぞ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なぜならば、都へ帰る数日前の別れの宴で、老父の国香や、将門の叔父良兼、良正などが語っていたことは、余りにも、得手勝手な望みであり悪だくみであった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新開しんかいの町村に芸者屋町を許可するは土地繁昌を促すがためといへり。あたかも辺陲へんすい不毛の地に移民を送りて開墾をくわだつる政策の如し。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
どの道落ちる城ですが、その没落をはやめたのは、よくにあせって、怪しいたくらみをしたからなんです。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大きなもくろみが出来ぬと見える——と、まあ、あの方々でござりますから、そんな無遠慮なこともおおせられておりました
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
仙覚抄でニヌとみ、こうでニヌと訓んだ。ぬのの事だが、古鈔本中、「」が「」になっているもの(類聚古集るいじゅうこしゅう)があるから、そうすれば、キヌと訓むことになる。即ちきぬとなるのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)