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企
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たく
ふりがな文庫
“
企
(
たく
)” の例文
早速これは引つ込めますが、親分さん、私は決して、良くない事を
企
(
たく
)
らんで、親分さんのお力を拜借に參つたのではございません。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と其の場を
外
(
はず
)
して次の間へ
退
(
さが
)
り、胸に
企
(
たく
)
みある蟠龍軒は、近習の者に
連
(
しき
)
りと酒を
侑
(
すゝ
)
めますので、
何
(
いず
)
れも
酩酊
(
めいてい
)
して居眠りをして居ります。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あなたは
穿鑿
(
せんさく
)
好きな
企
(
たく
)
らみのある方ですのね、ロチスターさま。私、あなたの道義がある點で常規を逸してゐるのが心配です。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
考えて見れば、私が第二の殺人を犯したのも、あんなにも
企
(
たく
)
らんだその殺人罪が発覚したのも、
凡
(
すべ
)
て彼の執念のさせた
業
(
わざ
)
かも知れません。
双生児:――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
兄にも妹にも
撥
(
は
)
ね付けられて、内田は失望した。その失望から彼は根もないことを
捏造
(
ねつぞう
)
して、赤座兄妹を傷つけようと
企
(
たく
)
らんだ。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
これは自然な
人死
(
ひとじに
)
ではなく、たしかにこれは
企
(
たく
)
まれたる殺人事件が始まるのにちがいないと、風間三千子は思ったのであった。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが、後白河法皇も、新大納言の
私怨
(
しえん
)
にひとしい
企
(
たく
)
らみにお心が傾いているというのは、彼として、自身以上の
危惧
(
きぐ
)
であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「貴様も、そう容易にいきりたつところを見ると、案外子供だなあ! おれは何も貴様のじゃまをしようと思って
企
(
たく
)
らんだのではないのだ——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「アナタのお宅の裏には大変な危険人物がいて、毎晩
多勢
(
おおぜい
)
集って隠謀を
企
(
たく
)
らんでるそうです、」と告げたものもあった。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ある
時
(
とき
)
、
宮中
(
きゆうちゆう
)
の
女官
(
じよかん
)
たちがこの
匡衡
(
まさひら
)
を
嘲弄
(
ちようろう
)
しようと
企
(
たく
)
んで、
和琴
(
わごん
)
(
日本
(
につぽん
)
の
琴
(
こと
)
、
支那
(
しな
)
の
琴
(
こと
)
に
對
(
たい
)
していふ)を
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
して
今昔物語:21 大江匡衡が歌をよむ話
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
常にうとましき児どもなれば、かかる
機会
(
おり
)
を得てわれをば
苦
(
くるし
)
めむとや
企
(
たく
)
みけむ。身を隠したるまま
密
(
ひそか
)
に
遁
(
に
)
げ去りたらむには、探せばとて獲らるべき。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
政党の腐敗を憤り、軍人が腐敗した政党と結んで政治に関係するのを快く思わなかった人たちは決して乱暴なことを
企
(
たく
)
らんでいたわけではなかったんだ。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
僕はあなたを引き摺り降ろそうと
企
(
たく
)
らんでいるんじゃありませんよ。ただどうしたことか、こういう所であなたと御一緒になってしまったというだけです。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
企
(
たく
)
みをして
誘拐
(
かどわかし
)
をしようという人と、どちらが白いか黒いか、そういうお方に見てもらおうじゃありませんか
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
窃盗品でいっぱいになってる
背嚢
(
はいのう
)
を背に負い、決然たるしかも
沈鬱
(
ちんうつ
)
なる顔をし、のろうべき
企
(
たく
)
らみに満ちてる思念をいだいて、そこに彼の前に立っていたのである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
われに
好
(
よ
)
き
計略
(
はかりごと
)
あり、及ばぬまでも試み給はずや、
凡
(
およ
)
そ
狐
(
きつね
)
狸
(
たぬき
)
の
類
(
たぐい
)
は、その
性質
(
さが
)
至
(
いたっ
)
て
狡猾
(
わるがしこ
)
く、
猜疑
(
うたがい
)
深き獣なれば、
憖
(
なまじ
)
いに
企
(
たく
)
みたりとも、
容易
(
たやす
)
く捕へ得つべうもあらねど。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
と、どういう
企
(
たく
)
みのあったものか、あの鳰鳥めがお殿様に、このように申し上げたのでございます。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
且又
(
かつまた
)
自分に痴川の殺害を実行させようと
企
(
たく
)
らんでいる、という風に考えたかったのであろう。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
けれども、それがいかにも盛んに心から熱誠に響きわたったので、私はこの同じ人々が私たちの血を流そうと
企
(
たく
)
らんでいるのだなどとはほとんど信じられぬくらいであった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
何一つ
企
(
たく
)
らみがあるわけではない。尋常これに過ぎたものとてはない。凡々たる品物である。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ナオミは私が内々何か
企
(
たく
)
らんでいるのをうすうす感づいていたのでしょうが、「まあ何をするか見ていてやれ」と云った調子で、初めのうちは
凄
(
すご
)
いほど落ち着いていました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
餅
(
もち
)
は
円形
(
まる
)
きが
普通
(
なみ
)
なるわざと三角にひねりて客の目を
惹
(
ひ
)
かんと
企
(
たく
)
みしようなれど実は
餡
(
あん
)
をつつむに
手数
(
てすう
)
のかからぬ工夫不思議にあたりて、三角餅の名いつしかその近在に広まり
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
甚
(
はなは
)
だ失礼なことを
企
(
たく
)
らんだ時、あの五十銭銀貨です。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
神の
企
(
たく
)
みしことはみな
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
これは
企
(
たく
)
みに企んだ上のことで、金を隠して、描き菊石を洗っていた日には、親分が踏込みなすっても、どうすることも出来ません
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
橋場の秋田屋の寮へ国家老の福原數馬という人を招きまして何ぞ
隙
(
すき
)
があったらば……という松蔭が
企
(
たく
)
み、濱名左傳次という者と
諜
(
しめ
)
し合せ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
秘密結社とはいい
条
(
じょう
)
、別段悪事を
企
(
たく
)
らむ訳ではありませんから、会のことは、会員の細君達にも、云わず語らずの間に知れ渡っている訳です。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
常にうとましき児どもなれば、かかる
機会
(
おり
)
を得てわれをば苦めむとや
企
(
たく
)
みけむ。身を隠したるまま
密
(
ひそか
)
に
遁
(
に
)
げ去りたらむには、探せばとて
獲
(
え
)
らるべき。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が
何時
(
いつ
)
、吉岡方の者が、師の報復を
企
(
たく
)
んで、ここへ迫って来ないとも限らない。武蔵は落着かない気持に時々駆られて、野の
遠方此方
(
おちこち
)
を見まわした。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皆さん、私の
企
(
たく
)
らみは破れました!——この辯護士とその依頼人の云ふことは眞實です。私は結婚してゐる。そして結婚した女は生きてゐるのです! ウッド。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あれは初めから
企
(
たく
)
んだことでも何でもないので、わたくしは勿論、兄と一緒に帰るつもりだったんです。
水鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
駒井能登守は神尾にこう言われて、
一時
(
いっとき
)
沈黙して眼をつぶりました。
企
(
たく
)
んだな! とこう思って駒井能登守のために同情し、神尾の挙動を
悪
(
にく
)
む者も少なくはありません。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もっとも、実際、私には他のだれよりも彼を悪く思ってもいい理由もあったように思う。というのは、彼があの高原で新たな裏切りを
企
(
たく
)
らんでいるのを見ていたからであるが。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
綿貫やったらそのくらいのこと
企
(
たく
)
らまんとも限らんし、企らむだけの時間もあった。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
悪い
企
(
たく
)
みをしている証拠! 動きの取れない証拠でござんす! 何が不足、何が不満で聞くも恐ろしい謀反沙汰内通沙汰をなされたのか? ああ
否々
(
いやいや
)
それを聞いたとて今は仕方ござんせぬ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それについて、三七郎を殺したのは、何んか
企
(
たく
)
らみあることで、下手人を擧げなければ、お前樣も飛んだものをつかまされます」
銭形平次捕物控:278 苫三七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
無理に己を怒らせて縁切の書付を取ろうと
企
(
たく
)
んだのに相違ねえが、縁を切って何うするのか、十一月を十月と書いたのにも
仔細
(
しさい
)
のある事だろう
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ひょっとしたら、こいつ何か
企
(
たく
)
らんでるんじゃないかと、
流石
(
さすが
)
に気持がよくはありませんや、「どこでお逢いしました」ってもう一度尋ねたものです。
モノグラム
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
神職 野槌か、ああ、聞いても
忌
(
いま
)
わしい。……人目に触れても近寄らせまい
巧
(
たくみ
)
じゃろ、
企
(
たく
)
んだな。解け、解け。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「よし。かく
企
(
たく
)
んでの事ならば、こちらも考えがある。
退
(
ひ
)
いては、山木一族の名折れ、目代の威厳にもさわる、斬り死にするまでも懸れ。ふみ
潰
(
つぶ
)
して押通れ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さればこそでございます、それほど殿様が一生懸命に行い澄ましていらっしゃるのを、外から甘えてこっちのものにしようと
企
(
たく
)
む奴、いよいよ以て容赦のならぬ樽め」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その間も始終、彼は微笑し、ひどく気が咎めて
極
(
きま
)
りの悪いような様子で舌をべろべろ出しているので、彼が何かを
企
(
たく
)
らんでいるのだということは小さな子供にでもわかったろう。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
私も光子さんも何や
腑
(
ふ
)
に落ちんような気イして、写真の種板おこしたにしたかて複写したあるかも分れへんし、何
企
(
たく
)
らんでるかも知れん、「なんぼお金やんなさった」いいましたら
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「蝋燭を持つて參りますわ。そして
後生
(
ごしやう
)
ですからお起きになつて下さいまし。誰かゞ何か
企
(
たく
)
らんだのです。何事だかまた誰の
仕業
(
しわざ
)
だか、お
査
(
しら
)
べになるのに早過ぎはしまいと思ひます。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「ね、お孃さん。志賀屋の若旦那が殺されたが、これは容易ならぬ
企
(
たく
)
らみがありさうだ。何事も隱さずに、打ち開けてくれるだらうな」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兼「旦那アーその酒を飲むと毒が這入って居ますよー、お前さんを殺そうといって
皆
(
みんな
)
が
企
(
たく
)
んで居ますよー、旦那アー油断してはいけませんよー」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
老人の言葉の奥には、どのような恐ろしい
企
(
たく
)
らみが隠されていたかもしれないのだ。しかし、彼は弘子の安否が確かめたさに、何を考えるゆとりもなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
権之助はゆうべ、彼女の茶店の腰掛に眠っており、
天佑
(
てんゆう
)
といおうか、
端
(
はし
)
なくも、彼らのきょうの
企
(
たく
)
み
事
(
ごと
)
を、すっかり聞いてしまったので、すぐ、そう察したのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分に恥をかかせようと
企
(
たく
)
んでするらしいこの女の仕打ちが
憎
(
にく
)
らしくてたまらなくなりました。こうなっては腕ずくでも、お松を連れて帰らねば承知ができなくなったから
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自分は別に深い
企
(
たく
)
らみがあったのではない。ただ大勢の友達と騒ぎたかっただけなのだと、何処までもそう云い張るのです。では何のためにああまで陰険に、私を
欺
(
だま
)
したのかと云うと
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
企
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“企”を含む語句
企図
企画
企謀
企圖
企畫
悪企
目企
比企
企望
計企
企劃
惡企
発企者
調伊企儺
発企
比企判官
発企人
比企掃部介
比企藤四郎能員
比企郡
...