“猜疑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいぎ94.0%
うたがい2.6%
うたがひ0.9%
うたぐり0.9%
せいぎ0.9%
まわりぎ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、ある日、べつだん何も理由はなかったのだが、どうかしたはずみに、玄石は細君に対して、猜疑さいぎの心を抱くようになった。
二人の盲人 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
「その猜疑うたがいことわりなれど、やつがれすでに罪を悔い、心を翻へせしからは、などて卑怯ひきょうなる挙動ふるまいをせんや。さるにても黄金ぬしは、怎麼いかにしてかくつつがなきぞ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
『隠せ』——其を守る為には今日迄何程どれほどの苦心を重ねたらう。『忘れるな』——其を繰返す度に何程の猜疑うたがひ恐怖おそれとを抱いたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あのひとは、猜疑うたぐり深い目で私を見ながら
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
また教会外にたって局外よりこれを見る時は今日までは神意の教導によりて歩む仁人君子の集合体と思いしものもまたその内に猜疑せいぎ、偽善、佞奸ねいかんの存するなきにあらざるを知れり、尖塔せんとう天を指して高く
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
お銀の猜疑まわりぎは、笹村に負けないほど、いつも暗いところまで入り込んで行かなければまなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)