“猜疑心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいぎしん96.6%
きいぎしん3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが、彼のいちばん不可いけないところだった。じぶんを持することあまりに高いために、すぐ人と争い猜疑心さいぎしんを燃やす癖がある。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
葉子は自分の愛子ぐらいの年ごろの時の自分の経験の一々が生き返ってその猜疑心さいぎしんをあおり立てるのに自分から苦しまねばならなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
他を陥れなければ止まない猜疑心きいぎしん泥土でいど蹂躙じうりんせられた慈悲、深く染着せんちやくしつつもその染着をわるいと思はない心、さういふ光景は一々かれの眼に映つて見えた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)