“挙動”のいろいろな読み方と例文
旧字:擧動
読み方割合
ふるまい37.0%
きょどう14.8%
そぶり9.3%
ふるま6.5%
ものごし5.6%
ようす5.6%
やうす4.6%
ふるまひ3.7%
こなし2.8%
しぐさ2.8%
まね1.9%
きよどう1.9%
しうち1.9%
きどう0.9%
たちふるま0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さればこそ、嬢さんと聞くとひとしく、朝から台所で冷酒ひやざけのぐいあおり、魚屋と茶碗を合わせた、その挙動ふるまい魔のごときが、立処たちどころに影を潜めた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その群集ぐんしゅうのなかに立って、かれの挙動きょどう凝視ぎょうししているふたりの浪人ろうにん——深編笠ふかあみがさまゆをかくした者の半身はんしんすがたがまじって見えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
んびりした顔をならべた百姓たちは、ただ彼の叫びに、うろたえの眼と、怖々おどおどした挙動そぶりをすこし見せたばかりで、手をこまねいているのだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おとらは往返いきかえりには青柳の家へ寄って、姉か何ぞのように挙動ふるまっていたが、細君は心の侮蔑をおもてにも現わさず、物静かに待遇あしらっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
源助さんは、もう四十位になつてゐるし、それに服装の立派なのが一際品格を上げて、挙動ものごしから話振から、昔よりは遙かに容体づいてゐた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
六人が先に、五人はうしろになって行くが、その二組が一つ連れであることは、しばら挙動ようすを見ているとわかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時の、俥の上の男の挙動やうすは、今猶明かに心に残つてゐる。然し言葉を交したのでもない。友の静子は耳の根迄紅くなつてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
坊主ばうず自分じぶんむかつておなことたのを、フト思出おもひだしたのが、ほとんど無意識むいしき挙動ふるまひた。トすくなからず一同いちどうおどろかして、みなだぢ/\とつて退すさる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その雄々しく見えるところはただ時々の身の挙動こなしと言葉のありさまにあったばかりで
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
その轟九蔵との古い関係についても固くなって首を振るばかり……しかし現場げんじょうの説明から、殺す挙動しぐさまで遣って見せたが、一分一厘違わなかったね。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今見ていればなんだお隅にあの挙動まねは何だ、えゝ、厭がる者を無理にかじり付いて、髯だらけのつらこすり付けて、お隅をどうしようというだ、お隅はなんだえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きざむにえだや、みきや、とひからす……これも眼前がんぜんこゝろかよはす挙動きよどうごとくにえたであらう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして自分の出来るだけ忠実まめやかに働いて、叔父が我が挙動しうちを悦んでくれるのを見て自分も心から喜ぶ余りに、叔母のむごさをさえ忘れるほどであった。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ればとて勤王家の挙動きどうを見れば、幕府にくらべてお釣りの出る程の鎖国攘夷、もとよりコンな連中に加勢しようと思いも寄らず、ただジッと中立独立と説をめて居ると
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私心のあかを洗った愛念もなく、人々おのれ一個のわたくしをのみ思ッて、おの自恣じしに物を言い、己が自恣に挙動たちふるまう※あざむいたり、欺かれたり、戯言ぎげんに託して人のこころを測ッてみたり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)