“戯言”のいろいろな読み方と例文
旧字:戲言
読み方割合
ざれごと31.7%
じょうだん19.0%
ぎげん9.5%
たわごと9.5%
たはむれごと6.3%
じようだん4.8%
たはふれ3.2%
おどけ3.2%
たはぶれごと3.2%
たわこと3.2%
けげん1.6%
しゃれ1.6%
たわむれごと1.6%
てんごう1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いわんや酒を飲みたることなきは勿論、婦人に戯言ざれごとを吐きたることなきは勿論、遊廓などに足蹈みしたるさまは一向に見受け申さず候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そして静子の本当だか戯言じょうだんだか分らないような話っぷりがやはりその兄にも在るのを見て、不思議な気持ちを覚えた。
運命のままに (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
これと一場の戯言ぎげんなりとはいへども、この戯言はこれを欲するの念せつなるより出でし者にして、その裏面にはあながちに戯言ならざる者ありき。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
狂人の戯言たわごとだと仰有るのですか。よろしい、では一つ実物をお目にかけましょう。こちらへお出で下さい
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
小麦の粉のうすものをかけたといふ㕝なりと戯言たはむれごと云れければ、利助も洒落しやれたる男ゆゑ、天竺浪人のぶらつきゆゑ天ふらはおもしろしと大によろこび
本に両為りようだめで御座んすほどにと戯言じようだんまじり何時となく心安く、お京さんお京さんとて入浸いりびたるを職人ども翻弄からかひては帯屋の大将のあちらこちら
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こたへて、そはあるじが持玉ふ年浪草としなみぐさに吾山があらましはしるせり、かの書を見玉へといひしに、兎角子とかくしは酒にもゑひたれば戯言たはふれていふやう、鬼のくるといふ事いかでそらごとならん
随分ころりと来るであらう、汝が惚けた小蝶さまの御部屋では無い、アッハヽヽと戯言おどけを云へば尚真面目に、木槵珠ずゞだまほどの涙を払ふ其手をぺたりと刺身皿の中につつこみ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
時平或日あるひ国経くにつねもとえんし、酔興すゐきやうにまぎらして夫人ふじんもらはんといひしを、国経もゑひたれば戯言たはぶれごととおもひてゆるしけり。
下等な戯言たわことも批評も、かなり黙許されているような店中の空気が、平坦な生活に倦怠している若い彼等を、十分興奮させているのが、浩には分り出した。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
成斎が鉄砲さんを揶揄からかえば、鉄砲さんも必ずしも師を敬ってばかりはいない。往々戯言けげんを吐いて尊厳を冒すことがある。成斎は「おのれ鉄砲」と叫びつつ、鞭をふるって打とうとする。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
... 頂戴ちょうだい」お登和微笑ほほえみ「差上げたくってもモー種が尽きました、残らず貴君あなたが召上っておしまいで。オホホそれでもお皿だけは残りました」と娘もなかなか戯言しゃれを言う。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そのありさまさらに戯言たわむれごととも見えざれば、母はさまざまに事をけてびたれども少しも聴かず。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「あの、お前さまの戯言てんごうばっかり。このお染さまはお前のお相方ではござりませぬか」
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)