戯言たわごと)” の例文
旧字:戲言
狂人の戯言たわごとだと仰有るのですか。よろしい、では一つ実物をお目にかけましょう。こちらへお出で下さい
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
だれの戯言たわごとぞ! クリストフが見たフランス人は、ラインの彼方かなたのあらゆる批評家よりも、さらに多く音楽上の知識をそなえていた——何にも知らない時でさえも。
「地獄というのは、今のてめえの身の上だ。いい加減な戯言たわごとばかりいって、愚民をだましてきた罪で、坊主はみんな、地獄に落ちるものと相場がきまっているらしい」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうお勢にむかうと、昇はたわぶれ散らすが、お政には無遠慮といううちにも、何処どこかしっとりした所が有ッて、戯言たわごとを云わせれば、云いもするが、また落着く時には落着いて、随分真面目な談話はなしもする。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「言語道断です、さような戯言たわごとはもうお聞きしますまい」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ええ左様な戯言たわごと、聞く耳は持ちませぬッ、離してッ、離して下されまし」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)