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じょうだん
ふりがな文庫
“
戯言
(
じょうだん
)” の例文
旧字:
戲言
そして静子の本当だか
戯言
(
じょうだん
)
だか分らないような話っぷりがやはりその兄にも在るのを見て、不思議な気持ちを覚えた。
運命のままに
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
戯言
(
じょうだん
)
とまじめと工合よく取り交ぜて人を話に引き入れる。政さんはおはまの顔を時々見てはおとよさんをほめる。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
長者は
隻手
(
かたて
)
を突いて、体を横にして聞いていたが、
何時
(
いつ
)
の間にか寝込んでしまいました。宇賀の老爺はこれを見ると小声でまた女に
戯言
(
じょうだん
)
を云いだしました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これはもちろん一場の
戯言
(
じょうだん
)
にすぎませんが、少くとも私の親しく接したいわゆる部落の人々には、個人的にそう残忍性を帯びたというものを認めておりません。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「えッ」と、吉里はびッくりしたが、「ほほほほ、
戯言
(
じょうだん
)
お言いなさんな。そんなことがあるもんですか」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
そんな
戯言
(
じょうだん
)
をいいながら、茶道具を並べて、器用な手つきで、きゅうすに湯をそそぐのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
笑いながら、
戯言
(
じょうだん
)
にまぎらしてこう言ったのを他の者も軽くきいていたが、臆病と言ったのは本当の
気臆
(
きおく
)
れをさして言ったのではなくって、死にはぐれてはならない臆病だったのだ。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それゆえ美妙斎とは何年
交際
(
つきあ
)
っても親友となる事が難かしかったが、紅葉は初対面の時から百年の友のように打解け、
戯言
(
じょうだん
)
もいえば
気焔
(
きえん
)
も吐いて誰とでも直ぐ肝胆を照らして語り合った。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「寒けりゃ女は蒼くなるものかね。私は今まで赤くなるとばかり思ってた。いいえ、
戯言
(
じょうだん
)
じゃないよ。全くこう寒くちゃ遣切れない。手も何も
凍
(
かじ
)
かんで了う。時に、あの何は——大将は……」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今のに違いない。隣の俗物め、もう
捉
(
つか
)
まえて
戯言
(
じょうだん
)
でも言ってると見える。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『
戯言
(
じょうだん
)
じゃないぜ』
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
「
戯言
(
じょうだん
)
は戯言だが、さッきから大分
紛雑
(
もめ
)
てるじゃアないか。あんまり疳癪を
発
(
おこ
)
さないがいいよ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
傍の女を
対手
(
あいて
)
にして
戯言
(
じょうだん
)
を云っていた宇賀の
老爺
(
おじい
)
は、小さな
円
(
つぶら
)
な眼を長者の方にやりました。「この老爺に用意も何もあるものではありません、これから
直
(
す
)
ぐでもお
供
(
とも
)
ができます」
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
こんな調子に、
戯言
(
じょうだん
)
やら本気やらで省作はへとへとになってしまった。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そんな
戯言
(
じょうだん
)
をいいつつ闇太郎、入口の戸をがたびしいわせはじめた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「今のは
戯言
(
じょうだん
)
だよ。笹尾のことは俺も心配しているんだ。」
過渡人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
見ると向う廊下の
東雲
(
しののめ
)
の室の障子が開いていて、中から手招ぎする者がある。それは東雲の客の
吉
(
きッ
)
さんというので、小万も一座があッて、
戯言
(
じょうだん
)
をも言い合うほどの知合いである。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
見たかしんねいが、おとよさんはお前隣の嫁だろ。家の省作だってこれから売る体じゃないか。
戯言
(
じょうだん
)
に事欠いて、人の体さ
疵
(
きず
)
のつくような事いうもんじゃない。わしが頼むからこれからそんな事はいわないでくろ
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
“戯言”の意味
《名詞》
戯言(ぎげん、ざれごと、たわごと)
冗談。戯れの言葉。
(出典:Wiktionary)
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“戯”で始まる語句
戯
戯談
戯作
戯作者
戯曲
戯弄
戯謔
戯場
戯奴
戯画