“紛雑”のいろいろな読み方と例文
旧字:紛雜
読み方割合
ふんざつ55.6%
いざ11.1%
いざこざ11.1%
みだれ11.1%
もめ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の胸には、紛雑ふんざつした事件が、もつれ糸を整理するように、順々に、解けて行った。切れたところは結び、解けないところは、切り離して考えてみた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何しに降つていた事もなければ、人との紛雑いざなどはよし有つたにしろそれは常の事、気にもかからねば何しに物を思ひませう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
家庭の紛雑いざこざは島村氏を極度の神経衰弱に陥らしめた。氏はそれを治すためにあるとしの秋から冬にかけて、かなり長い間京都三本木ぼんぎ信楽しがらきに泊つてゐた。
爪箱とりて居ずまゐを改たむる時は、塵のうきよの紛雑みだれも何ぞ、松風かよふ糸の上には、山姫きたりて手やそふらん、夢もうつつも此うちにとほゝ笑みて、雨にも風にも、はたゝめく雷電にも
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
戯言じょうだんは戯言だが、さッきから大分紛雑もめてるじゃアないか。あんまり疳癪をおこさないがいいよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)