“紛糾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんきゅう25.5%
いざこざ21.3%
こぐらか10.6%
ふんきう8.5%
こぐら6.4%
こんがら4.3%
こんがらか4.3%
ごた/\4.3%
いきさつ2.1%
いりく2.1%
こゞら2.1%
ごたごた2.1%
ごちやごちや2.1%
もつれ2.1%
もめごと2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瀬戸君はそれを承知しているから、簡便の為めに小刀細工をしたのだが、見透かされてしまって、却って問題が紛糾ふんきゅうして来た。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「娘は可愛いだらうが、武家の紛糾いざこざといふ奴は、惡いおでき見たいに根が深くて、うつかり手を付けると、ひどい目に逢はされるぜ」
二人は病床の傍で、看護婦のいない折々に、先刻さっきからお今のことで、一つ二つ言い争いをしたほど、心持が紛糾こぐらかっているのであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
人生のいかに紛糾ふんきうせるにもかゝはらず、金星は飛んで地球の上に堕ちざるなり、彗星は駆けつて太陽の光りを争はざるなり。
最後の勝利者は誰ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
勘次かんじ午餐過ひるすぎになつてそとた。紛糾こぐらかつたこゝろつてかれすこ俛首うなだれつつあるいた。あたゝかなひかりはたけつち處々ところ/″\さらりとかわかしはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして、明るい街を歩く時は、頭腦が紛糾こんがらかつて四邊あたり甚麽どんな人が行かうと氣にも止めなかつたに不拘かゝはらず、時として右側にれ、時として左側に寄つて歩いて居た。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
四ツ事件が紛糾こんがらかったってものさ。……ええとところで四ツの中で、どれが一番重大だろうかなあ?
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さア、面白くないからふくれもしますさ。ぬ、家は始終しよつちう紛糾ごた/\するツてツた譯なんでせう。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
人気のないへやで怪しい人声をはっきりと聞いたということなど、またスミス対ウェルキンの紛糾いきさつを残らず話してきかせると、フランボーは次第に昂奮して来て、傍らの小さい坊さんは
その間の紛糾いりくんだ事情は余り深く立入る必要はないが、く夫妻の身分教養が著るしく懸隔して、互に相理解し相融合するには余りに距離があり過ぎたのが原因であった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
とほ以前いぜんから紛糾こゞらけてたがひ感情かんじやうざした事件じけんがどんな些少させうなことであらうとも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところが可哀そうに余り面白く行かないとかだいぶん紛糾ごたごたがあるようで御座います。お正さんは二十四でもだ若い盛で御座いますが、旦那は五十幾歳いくつとかで、二度目だそうで御座いますから無理も御座いませんよ。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
冷い風が喉から胸に吹き込んで、紛糾ごちやごちやした頭脳あたまの熱さまでスウと消える様な心地がする。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「それもそうだが、裁判の紛糾もつれを横あいから往って、裁判所で両方を撲りつけて、金を執るなんざ、あんまりなあ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もちろん毒殺とあれば、何か知らん蔵元屋の内輪の紛糾もめごとから起った話に間違いないが、その肝腎の蔵元屋の内輪の様子がちっともわからん。指一本されんと来とる