紛糾こぐら)” の例文
勘次かんじ午餐過ひるすぎになつてそとた。紛糾こぐらかつたこゝろつてかれすこ俛首うなだれつつあるいた。あたゝかなひかりはたけつち處々ところ/″\さらりとかわかしはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして考へる事も考へる事も、すぐに傍へれて了ツて、斷々きれぎれになり、紛糾こぐらかり、揚句あげくに何を考へるはずだツたのか其すらも解らなくなツて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
一次方程式、二次方程式、簡単なのは如何どうにかなっても、少し複雑のになると、エービーとが紛糾こぐらかって、何時迄いつまでってもエッキス膠着こびりついていて離れない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
おつぎの一寸ちよつとあまえたやうこゑ與吉よきち無遠慮ぶゑんりよ無邪氣むじやきこゑくと一ぱうにはまた彼等かれら家族かぞくと一つにりたいやうな心持こゝろもちおこるし、かれ凝然ぢつぢてるのであたまなか餘計よけい紛糾こぐらかつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)