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紛糾
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ふんきゅう
ふりがな文庫
“
紛糾
(
ふんきゅう
)” の例文
瀬戸君はそれを承知しているから、簡便の為めに小刀細工をしたのだが、見透かされてしまって、却って問題が
紛糾
(
ふんきゅう
)
して来た。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
おそらくは、父として、帝王として、ここの
紛糾
(
ふんきゅう
)
をどうしたものかに、夜すがらな、おなやみだったものに相違なかろう。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
即ち神意を
仮
(
か
)
りて吾人に一夫一婦制を説き、「神は愛なり」と熱叫して、人類のために長く
紛糾
(
ふんきゅう
)
せる困難なる問題を解決し尽しているではないか。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
古来多くの人々がそうして来た。しかしひとたびこれらの伝記に対して疑問を起こし始めると、どうにも納まりがつかないほどに問題は
紛糾
(
ふんきゅう
)
して来るのである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
楽友協会に
紛糾
(
ふんきゅう
)
がありブラームスは三千マルクの
年俸
(
ねんぼう
)
と共にその指揮者の地位を捨てたが、幸いブラームスの音楽はその頃からようやく理解されるようになり
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
▼ もっと見る
父は
他人
(
ひと
)
の
紛糾
(
ふんきゅう
)
事件で家族に飯をたべさせているのだから、
煩
(
わずら
)
わしいことをきくので頭が一ぱいであったろうに、例の大木魚の顔がムズと前に出たらダニのように離れない。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お
神楽師
(
かぐらし
)
を名乗るくせ者であっただけに、物の音色について、かなりやかましい耳を持ち合せていたらしい——そこで問題が
紛糾
(
ふんきゅう
)
して、やや、悩ましいものにまでされている。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いや、あれは安達君が候補に立つと時局が益〻
紛糾
(
ふんきゅう
)
するから、思い止まらせる為めの駈引だったのさ。まさか九分一分なんてことはない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
問題は
紛糾
(
ふんきゅう
)
した。相互の感情と利害は妥協の余地が見出せないように相反している。上甲板は、
喧々囂々
(
けんけんごうごう
)
とした。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはよかろう——というので、すくその
紛糾
(
ふんきゅう
)
は
解決
(
かいけつ
)
したが、ここにまた番組
変更
(
へんこう
)
のやむないことができたというのは、そこへ
徳川家
(
とくがわけ
)
の
侍
(
さむらい
)
がとんできて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
処罰は叡山と幕府のあいだで長い
紛糾
(
ふんきゅう
)
を見、尊氏としては、道誉をかばい抜いたのだが、山門大衆の
嗷訴
(
ごうそ
)
に押されて、ついに流罪のほかなくなったものだった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、平家打倒を画策していることが、多年のいろいろな事件や
紛糾
(
ふんきゅう
)
でも分りすぎている程なので
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内訌
(
ないこう
)
は一時的な
紛糾
(
ふんきゅう
)
にすぎない。幕府は微動もしない。今日の西方寺の花見の宴はよく世上にそれを映す意味においても心からな人と花との
融和
(
ゆうわ
)
でなければならなかった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
教化
(
きょうげ
)
の道を誤って、衆民を
煽動
(
せんどう
)
し、財をあつめては武器を
蓄
(
たくわ
)
え、門を出ては
流言
(
るげん
)
を放ち、いたずらに政道を
紛糾
(
ふんきゅう
)
させ、宗門末派を利用しては私権をむすぶなど——手におえぬ
醜状
(
しゅうじょう
)
や
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“紛糾”の意味
《名詞》
縺れて乱れること。
(出典:Wiktionary)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
糾
常用漢字
中学
部首:⽷
9画
“紛糾”で始まる語句
紛糾交錯
紛糾沙汰