“紛擾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんじょう62.8%
ごたごた14.0%
ふんぜう7.0%
ごた/\4.7%
トラブル2.3%
ごたく2.3%
ごたつ2.3%
さわぎ2.3%
ふんじよう2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
産業上の諸階級間の不平、政党各派の紛擾ふんじょう輿論よろんの神経過敏、経済上の諸調査の専心に行なわれつつあること等はすなわちそれである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
私は町の団体の暗闘にいて多少聞いたこともあるが、そんなことをここで君に話そうとは思わない。ただ、祭以前に紛擾ごたごたを重ねたと言うだけにして置こう。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
父は他人に対しては謙遜であつた。自分から進んで争論一つする人でなかつたが、家業上にいろ/\の紛擾ふんぜうが絶えず起るのであつた。
ある職工の手記 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
出來てから漸々やう/\半年位にしかならず、社も裏長屋みたいな所で、給料の支拂が何時でも翌月になるとか云ふ噂、職工共の紛擾ごた/\が珍しくなく、普通あたりまへの四頁の新聞だけれど
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「一年経って契約が切れてももし立ち退かれないような紛擾トラブルの起った場合にフガ、やはりどなたか一人保証の責めを取って下さる日本人がいないと困るからです」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「なにを云いやがる、町内の紛擾ごたくに口をきくなあおれっちの役目の内だ、それでどうした」
初午試合討ち (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お今のことがまだ思いれずにいる、その男の縁談のまだ紛擾ごたついている風評うわさなどが、お今の耳へも伝わっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
急造にはかづくりの新聞だから種々いろんな者が集まつたので、一月経つか経たぬに社内に紛擾さわぎが持上つた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
四十二年の二月に女義界の紛擾ふんじようの仲裁にたった羽目から、むつみ、正義の両派によらず独立して芸界に再来することになった。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)