“普通”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふつう32.0%
なみ28.8%
ただ14.0%
あたりまへ7.2%
あたりまえ6.8%
たゞ4.1%
つね1.8%
ひととおり1.8%
ついツとほり1.4%
かいなで0.5%
ざら0.5%
なみなみ0.5%
カマン0.5%
コンモン0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
普通ふつう焚火たきびの焔ならだいだいいろをしている。けれども木によりまたその場処ばしょによってはへんに赤いこともあれば大へん黄いろなこともある。
障子も普通なみよりは幅が広く、見上げるような天井に、血の足痕あしあともさて着いてはおらぬが、雨垂あまだれつたわったら墨汁インキが降りそうな古びよう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そういう人々は、墓詣りということが普通ただの習慣となってしまっているらしい。『時』が彼等の悲哀かなしみを磨り減らしたのであろう。
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
『僕は貴女に然う言はれると、心苦しいです。誰だつての際の場処に居たら、那麽あれ位の事をするのは普通あたりまへぢやありませんか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
普通あたりまえの人間がお金を欲しがるのは楽をしたいためで御座りまする。つまり、恥を掻きとうないため、義理が欠きとうないため、人情を
”Pomum”には普通たゞの樹の実と、林檎と、二つの意味があるので、いつの間にかイヴが食つたのは林檎だつたといふ事になつたのだ。
襦袢じゅばんの袖に花と乱るる濃き色は、柔らかき腕を音なくすべって、くっきりと普通つねよりは明かなる肉の柱が、ちょうと傾く絹紐リボンの下にあざやかである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何ッ勉強が足りない? と、馬鹿な事をいふッ、普通ひととおりの勉強はさせたでないかッ? 何が不足? 何が気に喰はぬ? 我儘者めが」
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
自まんも恐ろしき胴間聲に霞の衣衣紋坂と氣取るもあり、力ちやんは何うした心意氣を聞かせないか、やつた/\と責められるに、お名はさゝねど此坐の中にと普通ついツとほりの嬉しがらせを言つて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
相手が普通かいなでの娘だとか、後家だとか、いうような者どもなら、それは、そなたの、名のために、断わりをいうもいいであろうなれど、土部三斎様といえば、何分、当時、大江戸で、飛ぶ鳥を落す勢い。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
尤も中には何処へ出しても引けを取らない珍らしいのもまざつてゐるが、一番多いのは今普通ざらにある五厘、一銭五厘、三銭……といつたやうな切手で、池田氏はその値段を勘定するのに
まず第一に何を可愛かわゆがってたれしたうのやら、調べて見ると余程おかしな者、爺のかんがえでは恐らく女におぼれる男も男にくらむ女もなし、皆々手製の影法師にほれるらしい、普通なみなみの人の恋の初幕しょまく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
どうしてここへ「自動車一台持って歩かない普通カマンの旅客」
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
そうでない「普通コンモンの犬」かが別れ、時計がとまっても犬が走っても、議会と商業会議所と新聞と牧師は即座に結束して