“眩”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
くら31.6%
まぶ30.4%
まばゆ10.6%
まば9.1%
2.4%
1.8%
まぶし1.7%
まわ1.7%
めま1.5%
げん1.2%
(他:68)8.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“眩”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語16.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「オホホホホ」と未亡人は一層高い調子で止め度なく高笑いをした。私はクラクラと眼がくらみそうになって枕の上に突伏した。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馬鹿とあなどって不意討ちを食った長助は、まったく眼がくらんで暫くぼんやりしているうちに、辰公は逃げて行ってしまった。
しかし辰子は不相変あいかわらず落ち着いた微笑を浮べながら、まぶしそうに黄色い電燈の笠へ目をやっているばかりだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
勿論太陽をのぞ目鏡めがねは光線を避ける為に黒く塗ってある、しかしそれですらもまぶしくて見ていることが出来ぬ。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
朝成は、まだ不きげんが去らない。苦虫をかみつぶしたように、まばゆい初夏の庭面にわもへ、うつろに眼を向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はそこへ、茶を汲んでゆく。病中の一楽はその茶碗からたちのぼる湯気ゆげの虹を朝陽のなかにまばゆく見ることだった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源次はさっさと包の紐を解いた。中は文房具の組合わせだった。赤、黄、青、金、緑などの色がまばゆくみんなの顔をた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ヘエ。このような大雪になりますと、眼がまばゆうて眩ゆうてシクシク痛みます。涙がポロポロ出て物が見えんようになります」
眼を開く (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし若侍は笑わなかった。そのままぶしい縁側の植え込みに眼を遣ったが、その眼には涙を一パイに溜めている様子であった。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
くちびるはなびらく程近くつて、強いまでいだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御運とは申せ、力無き事とは申せ、御行末おんゆくすえの痛はしさを思へば、眼もれ、心も消えなむばかりと、涙を流して申し候。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鮮血! 兇器! 殺傷! 死体! 乱心! 重罪! 貫一は目もれ、心も消ゆるばかりなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
口に含んだうがみずを、ゴロゴロとのどで鳴らしながら、まぶしげに、青空へ向けて顔をひっくりかえしていると、
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俺たちが見れば、薄暗い人間界に、まぶしい虹のやうな、其の花のパツと咲いたところ鮮麗あざやかだ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今の宗助なら目をまわしかねない事々物々が、ことごとく壮快の二字を彼の額に焼き付けべく、その時は反射して来たのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はっと思ったその瞬間運八はグラグラと眼がまわった。それから彼はバッタリ倒れ、そのまま気絶をしたのである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然し大地に立ってみると、大地が波のように揺れる気がして、物につかまっていないとよろめくようなめまいを覚えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つかれた鍬と、つかれた呼吸いきとが、次第にもつれ合って、めまいがしそうになって来ても、又八の手は止まらなかった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怪しきかな、恋愛の厭世家をげんせしむるの容易なるが如くに、婚姻は厭世家を失望せしむる事甚だ容易なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
すなわち、編首にいわゆる直接のために眼光をおおわれて地位の利害にげんするものなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それにしても、千浪はこの夜更けにどこへ行くのだろう? しかも一人で——新九郎はめくるめくほどの嫉妬を感じた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奇しくも黄金わうごんの十字の紋章かゞやきいだし、感激にめくるめく一使徒がバプテスマの河をよろめき足して岸に這ひあがるごとく、
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
うーむと、服部太蔵は、仰向けにひっくりかえった。然し彼の浴びたのはミネ打ちであって、単に、眼をくらましたに過ぎないらしい。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「アッハッハッ、この風で捕手いぬどもの眼をくらましとっ走るのよ! ……おかげで湯にもはいれた。……心と一緒に体も綺麗になったってものさ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
源助に促されて硝子戸の中に入ると、目がくるめく程明るくて、壁に列んだ幾面の大鏡、洋燈ランプが幾つも幾つもあつて、白い物を着た職人が幾人も幾人もゐる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は、目がくるめいて四邊あたりが暗くなる樣な氣がすると、忽ち、いふべからざる寒さが體中ををのゝかせた。皆から三十間も遲れて、私も村の方に駈け出した。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
めくるめきつつもにげ行くを、猛然と追迫おひせまれる檳榔子は、くだんの杖もて片手突に肩のあたりえいと突いたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これだけでもめくるめくばかりなるに、足許あしもとは、岩のそのつるぎの刃を渡るよう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かべふすま天井てんじやうくらがりでないものはなく、ゆきくるめいたにはひとしほで
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
【輝】光輝のひときは強くなりてダンテの目をくるめかせしは(額を壓す)天使の光日光に加はりたればなり
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
婆さんはれぼったいまぶちの奥から細い眼を出して、まぼしそうに豊三郎を見上げた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
時刻は暮に近い頃だったから、日の色はかわらにもむねにも射さないで、まぼしい局部もなく、総体が粛然しゅくぜんかまびすしい十字のまちの上に超越していた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たださえ暑い陽が一層めまぐるしく、じっとりと手足が汗ばんできて、痛いほど全身がこそぐり回されるような、気がしてくるのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
頭脳の機関全体が調子を狂わして、ぱったり止って動かない部分とめまぐるしく回転する部分とがあった。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
先づ雲に隱れた巨人のかしらを染め、ついで、其金色の衣を目もくらめく許に彩り、軈て、あまねく地上の物又物を照し出した。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
くらめくばかりの電燈が、楽堂の周囲まわりに照り渡り、そこへ集まった聴衆のほくろさえ鮮かに見えるほどである。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
急に彼は、海にめまいを起したような眉をして杯を下におき、眉の辺を指で抑えた。——が、すぐケラケラ笑い出して、
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやいや、かりに五ツぎぬを曳かせ、雲のびんずらに、珠のかざしかざさせなば……と、鬼六はめまいのような空想にとらわれた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうも、失敗しくじってばかりいる」と、にんじんはつぶやく——「それにやつらのきたねえよだれで、こら、指がべたべたすらあ」
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
と僕は、もう一度眼ばたきをしてつぶやいた。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
PAULパウル CLAUDELクラウデル が目をまはしたも道理だうり
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
目のひたお婆さんは、車に乗ると眼がまはると言ふので、昔御国替おくにがへの時乗つて来たやうな軽尻馬からしりうまをわざわざ仕立てゝ、町の通をほつくり/\とつて来た。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
それは皆、めくらむばかりの力で「闇夜」の中を運ばれてゆくもろい小舟の上に、相並んで結びつけられてる悲惨の仲間であった。
牛は暗闇から急にめくらむような明るい砂地に引き出されてはなはだ当惑のてい
つよし、はげし、あまりにゆし、
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ああ運命のはゆきをも、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
が、やがて眼が微光のひらめきに慣れるにつれて、それが疑いもなくくらであり、しかも歯のない口をあんぐりと開いて、そこからすやすや、寝息が洩れているのを知った。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
本當ほんたうぬくとつたんだよなあ日輪おてんとさままでひどまちつぽくなつたやうなんだよ」おつぎはれいすこあまえるやうな口吻くちつきで一まい掛蒲團かけぶとんをとつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして月桂樹の冠はFなる魔法使いの頭に落ち、Fなる魔法使いは、その名誉ある冠を以て、空想の少女をまどわさんとし、猩々緋しょうじょうひの舌を動かします。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「兄者人の定綱が、いつも云わるるには、殿のご大食には驚く、あの華奢きゃしゃなおからだで、朝などお汁を何杯もあがるなど、いつも驚嘆していますが、なるほど、これではご空腹もごむりではない……。盛綱めも今朝は、めくらめくほど、すき腹になり申した」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
米華は山のやうな画絹を前に、汗みづくになつて滝をき、山をき、鶴をき、亀をき、洋妾らしやめんのやうな観音様をき、神戸市長のやうな馬をきしてゐるうちに、到頭めまひがして自分にも判らぬやうな変な物をき出した。
北枕なぞを喰うた後で、外へ出て太陽光ひなたに当ると、眼がうてフラフラと足が止まらぬ位シビレます。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)