“くる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クル
語句割合
41.3%
26.1%
15.1%
4.8%
2.8%
1.4%
1.1%
0.9%
0.9%
0.7%
0.7%
0.5%
佝僂0.5%
0.5%
息苦0.2%
久留0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
痀瘻0.2%
眩暈0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
苦痛0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、その白鳥はくちょうは、いまとなってみると、いままでかなしみやくるしみにさんざん出遭であったことよろこばしいことだったという気持きもちにもなるのでした。
二十日の後、いっぱいに水をたたえたさかずきを右ひじの上にせて剛弓ごうきゅうを引くに、ねらいにくるいの無いのはもとより、杯中の水も微動だにしない。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
お葉はその紙入から札と銀貨を好加減いいかげんに掴み出して、数えもせずに紙にくるんだ。これ懐中ふところ押込おしこんで、彼女かれも裏木戸から駈け出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おお、O'Grieオーグリー、なに事にも印度民族はこのディレンマにくるしめられます。信教と、民族発展とに背反するものを持つ……。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その木挽こびきの代が十円ほど。木代、木挽代、運賃引ッくるめてずっと高く積ってまず四十五円位のものであろうと私は見ました。
【輝】光輝のひときは強くなりてダンテの目をくるめかせしは(額を壓す)天使の光日光に加はりたればなり
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されども不良の子にくるしめらるるの苦痛は、地獄の呵嘖かしゃくよりも苦しくして、しかも生前現在の身を以てこの呵嘖に当たらざるを得ず。
教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
雪空の様に曇りつゝ日は早やくるるにもなくなった。何処どこかにからすが鳴く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
先刻さっき内々戸のすきから見たとは違って、是程までに美しいそなたを、今まで木綿布子ぬのこ着せておいた親のはずかしさ、小間物屋もよばせたれば追付おっつけくるであろう、くしかんざし何なりとすきなのを取れ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
くる早々小使錢もないのを渠等に見透かされるのが厭であつたからである。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
なるほど、そう言われて気をつけて見ると、誰も誰も皆裸で布団にくるまって、木枕の間から素肌が見えている。私も帯を解いて着物を脱いだ。よほど痒みも少なくてしのぎよい。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
われをくるめかすもののあり
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
この佝僂くる病が人間性の上にのこされているうちに、まだわたしたちの精神が十分強壮、暢達なものと恢復しきらないうちに、その歪みを正常化するような社会事情を準備し
現代の主題 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
垢染みて膩光あぶらびかりのする綿の喰出はみだした褞袍どてらくるまつてゴロリと肱枕をしつゝ
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
彼は一際もの凄い声で⦅息苦くるしい!⦆と叫ぶと、地下へ戻つて行つた。三番目の十字架が揺れ出して、三人目の死人が立ちあがつた。
⦅ああ息苦くるしい、息苦くるしい!⦆さう、彼は人間らしくない奇怪な声で呻いた。その声はやいばのやうに人の胸を貫いた。が、不意に死人は地の下へ消え失せてしまつた。
同役の久留くる十左衛門、近藤平八郎、大久保権右衛門ごんえもん等も、伝八郎の後から、眼いろを変えて駈けて行った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近邨きんそんで善く射る勇士程霊銑方へ蜃が道人に化けて来ていう、われ呂湖の蜃にくるしめらる、君我を助けなば厚く報ずべし、白練しろねりを束ねたる者は我なりと
額に八千代の唇が触つたやうな気持がして楯彦氏は吃驚びつくりして目を覚ました。鏡を見ると、白い布片きれくるまつた毬栗いがぐりな自分の額が三ぶんの一ばかり剃り落されてゐる。
かうむりたるかなさけなきは九郎兵衞殿如何なる前世のかたき同士どうし現在げんざいを分し伯父をひの中で有ながら娘や婿むこかたきなりと後家のお深にくるめられ解死人げしにん願ひは何事ぞと姑くは人をもうらみ身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
北国の寒村である村だけ痀瘻くる病のない所があって、そこでは干物を沢山喰べるためにヴィタミンの補給が出来るのだという話は大変面白い。
室鰺 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
その青澄あおずんだ、底無しの深淵ふちを、いつまでもいつまでも見つめているうちに、私の目は、いつとなくグルグルと、眩暈くるめき初めました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
滝太郎の秘密を守るために、仰いでその怪みを化榎に帰して、即時人の目をくるめたので。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
九万ハ性放誕不羈ふき嗜酒任侠ししゅにんきょうややモスレバすなわチ連飲ス。数日ニシテ止ムヲ知ラズ。ヤヽ意ニ当ラザレバすなわチ狂呼怒罵どばシテソノ座人ヲ凌辱りょうじょくス。マタ甚生理ニつたなシ。家道日ニ日ニくるシム。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また昨日きのふ今日けふ新墓しんばか死人しびと墓衣はかぎくるまってかくれてゐよともはッしゃれ。いたばかりでも、つね身毛みのけ彌立よだったが、大事だいじみさをつるためなら、躊躇ちゅうちょせいで敢行してのけう。
充分の金でもあればまだ何とか工夫もつかうが、ただ信仰の中に祈つて与へられた金で頼つてくる凡てのものに善意を以て施して行くことは苦痛くるしい、言葉にたとへ難ない仕事である。
今からお眼が狂ふもの、乃公が時計はくるふたと、後のお詞聞かぬ為、私が合はしておきますると。ただ一分のその隙も、むだに過ごさぬ、竜頭巻。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)