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困
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くる
ふりがな文庫
“
困
(
くる
)” の例文
少年の方は、学校を出てから何になろうか、自分の才能がどんな仕事に向くだろうかという事を発見し難く、モヤクヤと
困
(
くる
)
しんでいる。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
おお、
O'Grie
オーグリー
、なに事にも印度民族はこのディレンマに
困
(
くる
)
しめられます。信教と、民族発展とに背反するものを持つ……。
一週一夜物語
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
介が動物を挟み
困
(
くる
)
しめた記事は例の『戦国策』の
鷸蚌
(
いつぼう
)
の故事もっとも顕われ、
其碩
(
きせき
)
の『
国姓爺
(
こくせんや
)
明朝太平記』二の一章に
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この一例をもってみても
諸色
(
しょしき
)
が上がるの下がるの、米価が
騰貴
(
とうき
)
したために
貧民
(
ひんみん
)
が
困
(
くる
)
しむの、あるいは暴徒が起こるの
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
市川は再び老人に返答を
促
(
うなが
)
したけれども老人は、
頓
(
とみ
)
に返事ができないで
困
(
くる
)
しんでいる様子を小林師範が
傍
(
かたわら
)
から見て
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
今頃秋風の吹く近江の田舎町の雑用宿で立ち居かなわず
困
(
くる
)
しんでいるだろう海老団治の父親の上を考えて今松は、いても立っていられない心持ちがした。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
これ決して両国生霊の塗炭に
困
(
くる
)
しむの状を見るに忍びずしてかくのごとく道徳上の職分を尽くすものにあらず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
五、汝今衣食を得るに
困
(
くる
)
しむ、しからば汝も空の鳥、野の
百合花
(
ゆり
)
のごとくなりて汝の運命を天に任せよ
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その庇廂の
大和
(
やまと
)
がき結いに吹きさらされて
疝癪
(
せんしゃく
)
も起すことある職人
風情
(
ふぜい
)
は、どれほどの悪い
業
(
ごう
)
を前の世になしおきて、同じ時候に
他
(
ひと
)
とは違い悩め
困
(
くる
)
しませらるるものぞや
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その時将軍はすでに疲れ切っていた。極度に
困
(
くる
)
しんで、精神も次第に
恍惚
(
こうこつ
)
となるほどだった。それでも人に
扶
(
たす
)
けられて、いつものように正しくすわり直し、肩衣を着けた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
天狗樺や丈の高い偃松に
困
(
くる
)
しめられ、二時間を費して漸く聖岳の直下に達することを得た。
大井川奥山の話
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
自然は暴虐を専一とする兵馬の英雄の如きにあらず、一方に於て風雨雷電を駆つて吾人を
困
(
くる
)
しましむると同時に、他方に於ては、美妙なる絶対的のものをあらはして吾人を楽しましむるなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
世の飢饉に
値
(
あ
)
い、女の夫、妻に告ぐらく、わが家貧窮して衣食に
困
(
くる
)
しむ、汝は
他
(
よそ
)
へ行き自活の処を求むべし、と。
易の占いして金取り出したること
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
欧州の政治家らがその妄迷の政略をもってその人民を
困
(
くる
)
しめ、その邦家を悩まし、かの
百姓
(
ひゃくせい
)
をして
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
孰
(
いず
)
れも小さいのでさしたる困難はない。それでも水際ばかりは通れないので、或時は右側の藪を濳って倒木に
困
(
くる
)
しめられ、或時は左側の草の生えた崖を登って上を廻ったりなどする。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
而して其中間に
揷
(
はさ
)
まれたる
以太利
(
イタリー
)
は遂に
如何
(
いか
)
ならむ。邦運久しく疲れて産業興らず。民多くは一種固有の
疾疼
(
しつとう
)
に
困
(
くる
)
しむ。而して国境を守るの兵は日に多く、
痩
(
や
)
せたる民衆に課するの
税斂
(
ぜいれん
)
は月に加ふ。
想断々(2)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
インドにドールとて群を成して虎を
困
(
くる
)
しむる野犬あり
縞狼
(
ヒエナ
)
の歯は甚だ硬いと聞く、それらをジャッカル稀に角ある事実と混じてかかる談が生じただろう。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
外国の事情を知らずして
徒
(
いたずら
)
に海岸を守り貧窮に
困
(
くる
)
しみ候は誠に失策にこれ有るべく、
英吉利
(
イギリス
)
、
仏蘭西
(
フランス
)
などの小国にてさえ万里の遠海へ渡り人を制し候は、皆々航海の益に御座候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
また河童が馬を
困
(
くる
)
しむる由諸方で言う。支那でも蛟が馬を害した譚が多く、『
埤雅
(
ひが
)
』にその俗称馬絆とあるは、馬を
絆
(
つな
)
ぎ留めて行かしめぬてふ義であろう。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
わが邦にも狐狸を取り尽くして兎
跋扈
(
ばっこ
)
を極め農民
困
(
くる
)
しむ事しばしばあるが熟兎の蕃殖はまた格別なもので
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それに
介
(
かい
)
に手を挟まれて
困
(
くる
)
しむ内、潮に溺れ命を失うたのも猿田彦は老猴を神としたに相違ない証拠だ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
明日霊銑
邨
(
むら
)
の少年と湖辺に
鼓噪
(
こそう
)
すると
須臾
(
しばらく
)
して波湧き激声雷のごとく、二牛
相
(
あい
)
馳
(
は
)
せるを見るにその一
甚
(
いと
)
困
(
くる
)
しんで腹肋皆白し、霊銑後の蜃に
射
(
い
)
中
(
あ
)
てると水血に変じ
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
生来この藻は流水や噴泉で不断
盪
(
あら
)
わるる処に生えるがその胞子が偶然止水中に入って
困
(
くる
)
しんだ余り一計を案じ魚に託生してその魚が
游
(
およ
)
ぐとちょうど生活に必要ほどな振動を
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『日本紀』七に、日本武尊信濃の山中で山神の化けた白鹿に苦しめられたが、
蒜
(
ひる
)
を以てこれを殺し、道を失うて
困
(
くる
)
しむ時白犬に導かれて美濃に
出
(
い
)
づ、とあれば、同じ白でも鹿は悪く犬は善いと見える。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
困
常用漢字
小6
部首:⼞
7画
“困”を含む語句
困難
困苦
困憊
困却
困厄
困窮
困迫
困惑
疲労困憊
貧困
困悶
疲弊困憊
困頓
困阨
困蹶
艱難困苦
窮困
敗殘困憊
貧困人
困馬
...