“促”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うなが83.6%
うな10.3%
せ0.9%
つか0.9%
うながし0.6%
せま0.6%
つま0.6%
はた0.6%
いなが0.3%
せた0.3%
そく0.3%
そそ0.3%
つめ0.3%
とら0.3%
モヨオ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この小説家のために一歩の発展を促(うなが)されて、開化の進路にあたる一叢(ひとむら)の荊棘(いばら)を切り開いて貰ったと云わねばならんだろうと思います。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ぢや、姉(ねい)さんは何方(どちら)が好(すき)だと仰(おつ)しやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、面(かほ)顰(しか)めて促(うな)がすを、姉は空の彼方(あなた)此方(こなた)眺(なが)めやりつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
騒動が鎮まると、夫人は約束通り貧民視察に出掛けるのだと言つて、吉兵衛氏を促(せ)き立てて自動車に乗つた。
「二人三人あるやうですが、恐ろしく素早い泥棒で、促(つか)まへるどころか、人相も見定めた者もありません。何んでも、五尺七八寸もあるだらうと思ふやうな、肩幅の廣い大男だつたさうで——」
善い人間は、よしや暗黒な内の促(うながし)に動かされていても
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
闊きも太だ疎なる可からず、密なるも太だ促(せま)るべからず、其の子を恋ひて以て生を求めんよりは、之を棄てゝ勝を取るに若かず。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しかし幅広く長(たけ)の促(つま)つた文字が、石を積むが如くに重畳してあつて、極て読み易い。文中「何角は差上度」は読んで「何か差上度」と作(な)すべきである。或は方言歟。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今(いま)の客人(きやくじん)の氣(き)の長(なが)さまだ車代(しやだい)くれんともせず何時(いつ)まで待(ま)たする心(こゝろ)にやさりとてまさかに促(はた)りもされまじ何(なん)としたものぞとさし覗(のぞ)く奧(おく)の方(かた)廊下(らうか)を歩(あゆ)む足音(あしおと)にも面(おもて)赫(くわつ)と熱(あつ)くなりて我知(われし)らず又(また)蔭(かげ)に入(い)る
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
況(いはん)や両氏の作品にもはるかに及ばない随筆には如何(いか)に君に促(いなが)されたにもせよ、到底(たうてい)讃辞を奉ることは出来ない。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
促(せた)げても頓着(とんじゃく)せず、何とか絶えず独言(ひとりごち)つつ鉄葉(ブリキ)の洋燈(ランプ)に火屋(ほや)無しの裸火、赤黒き光を放つと同時に開眸(かいぼう)一見、三吉慄然(りつぜん)として「娑婆(しゃば)じゃねえ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
音(おん)の促(そく)した、半分は口の中でどもってしまう、聞き取りにくい調子だが、どことなく、自ずから感に通じるところがある。……私は妙な機会から、妙な人に逢ったもんだと思った。
北国の人 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
人(ひと)をば促(そそ)る火の明り。
“MONICO” (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
もとたゞ「ア」を促(つめ)て短く發音さす爲にいつの世にか添加せられたもので、拉丁語の「アトミラーリス」と云ふ形容詞とは何等の關係があつた譯ではありませぬ。
金剛智三蔵と将軍米准那 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)
一刀(いっとう)削(けずり)ては暫(しばら)く茫然(ぼうぜん)と眼(め)を瞑(ふさ)げば花漬(はなづけ)めせと矯音(きょうおん)を洩(もら)す口元の愛らしき工合(ぐあい)、オヽそれ/\と影を促(とら)えて再(また)一(ひ)ト刀(かたな)、一ト鑿(のみ)突いては跡ずさりして眺(なが)めながら、幾日の恩愛扶(たす)けられたり扶けたり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
眉黛(ビタイ)促(モヨオ)シテ成ス遊子ノ恨ミ
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)