“とら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トラ
語句割合
31.6%
27.1%
13.9%
12.2%
7.5%
2.0%
1.1%
0.8%
0.7%
0.5%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
大虫0.1%
奪取0.1%
徴兵0.1%
捕捉0.1%
捕縛0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
逮捕0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さん・せばすちあん」は船長をとらえ、もう一度熱心に話しかける。船長はやはり冷笑したきり、何とも彼の言葉に答えないらしい。
誘惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「日本よりあたまなかの方がひろいでせう」と云つた。「とらはれちや駄目だ。いくら日本の為めを思つたつて贔負ひいきの引き倒しになる許りだ」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これからはいよ/\おたみどの大役たいやくなり、前門ぜんもんとら後門こうもんおほかみみぎにもひだりにもこわらしきやつおほをか、あたら美玉びぎよくきずをつけたまふは
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さうして愛情あいじやう結果けつくわが、ひんのためにくづされて、ながうちとらへること出來できなくなつたのを殘念ざんねんがつた。御米およねはひたすらいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すなわちとらの月をもって正月と定めた根源は、昔もやはり温かい国の人の経験をもって、寒地の住民に強いたことは同じであった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
隷官はその乞児に意味があるだろうと思って、すかさずとらえて庁に帰った。張廷栄は再三これを鞫問きくもんした。それは猴の主人を毒殺した相手の乞児であった。
義猴記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
佐分利は二年生たりしより既に高利の大火坑にちて、今はしも連帯一判、取交とりま五口いつくちの債務六百四十何円の呵責かしやくあぶらとらるる身の上にぞありける。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
城下ちかいを為すの恥を思わず、かえって忠貞をとらえて忌疑きぎを抱く。白映ペートルさかいを議す長崎の港、聖東ワシントン地をる下田のはま
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この唐の僧は最後に、賊にとらえられ、賊の手によって首を斬られたのだった。この世に於てさえ、こんなむごたらしい災害を避けることが出来ない。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
下等女の阿婆摺あばずれを活動力に富んでると感服したり、貧乏人の娘が汚ない扮装なりをしてめず臆せず平気な顔をしているのを虚栄にとらわれない天真爛漫と解釈したり
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
いためしとてつゑすがりて參りし處惡い駕籠舁かごかきどもに付込れ當底たう/\あざむかれ乘て參りたるが今頃いまごろは此熊谷土手の中程なかほどにて路金も女も定めしとられ給ひしならんアヽ思ひ出しても可愛かあいさうな事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔評〕幕府勤王の士をとらふ。南洲及び伊地知正治いぢちまさはる海江田武治かいえだたけはる等尤も其の指目しもくする所となる。僧月照げつせう嘗て近衞公の密命みつめいふくみて水戸に至る、幕吏之をもとむること急なり。
しかるに彼らはヨブの哀哭の語に接してその言辞にとらえられてその心裡しんりを解するあたわず、ますます彼らの推測の正当なりしを悟り、ここにヨブを責めてそのひそかなる罪を懺悔せしめ
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
無益の彫刻藻絵そうかいを事とするをとどめたるが如き、まことに通ずることひろくしてとらえらるゝことすくなく、文武をねて有し、智有をあわせて備え、体験心証皆富みて深き一大偉人たる此の明の太祖
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一刀いっとうけずりてはしばら茫然ぼうぜんふさげば花漬はなづけめせと矯音きょうおんもらす口元の愛らしき工合ぐあい、オヽそれ/\と影をとらえてまたかたな、一トのみ突いては跡ずさりしてながめながら、幾日の恩愛たすけられたり扶けたり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「そこをお渡りになつて、此方こちら燈籠とうろうがございませう、あのそばちよつとお出で下さいませんか。一枚とらして戴きたい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唐義浄訳『根本説一切有部毘奈耶破僧事こんぽんせついっさいうぶびなやはそうじ』巻十五に昔波羅痆斯はらなし城の貧人山林に樵して一大虫とらに逢い大樹に上ると樹上に熊がいたのでおそれて躊躇ためらう。
現に、一日市で通っている駅名も、元々、この町の名で呼び慣らされていたものだったけれども、いつのまにか奪取とられてしまっていた。居眠りをしていたせいである。
凍雲 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
「な、お父つあ、来春俺が徴兵とられたら、こりゃお互様のことになるだ。俺、一寸、行って来るよ。」
前夜 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
その陰影かげ捕捉とらへがたき Passion の色
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それと感付くと役人達は、がぜん態度を一変させ、彼等を捕縛とらえようとひしめいた。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
満枝はほしいままに宮をとらへてちとも動かせず、しづかに貫一を見返りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とらふかヱイと二人を左右へ一度に投付れば惡漢共わるものども天窓あたまを抱へ雲をかすみと逃失けり藤八は後見送りおつなせりふの機會はずみからヤア逃るは/\時に御旅人怪我けがは無かと九助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかこれ等は従来から有つた型で今年の新流行と云ふ物はだ出ない様だ。しか明日あすにも屹度きつと帽子屋が新がたこしらへて知名な女優に贈りそれかぶつた姿を写真にとらせて貰つて一般に流行はやらせる事であらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これ白坊主しろばうず」とそつけなくいつた。かれなべといふのがいやでさういつたのである。かね博勞ばくらうはうまくあるものとらへたやう得意とくいつて村落中むらぢゆうひゞかせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
金をとらかす日影椎の梢に残り、芝生はすでに蔭に入り、ひぐらしの声何処からともなく流れて来ると、成人おとなも子供も嬉々ききとして青芝の上の晩餐ばんさんの席に就くのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
子、きょうとら(拘)わる。曰く、文王すでに没したれども、文はここ(吾が身)にあらずや。天のまさの文をほろぼさんとするときは、後死者われ(孔子自らいう)は斯の文にあずかるを得ざるべし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
さるを富貴は前生さきのよのおこなひのかりし所、貧賤はしかりしむくいとのみ説きなすは、一〇一尼媽あまかかとらかす一〇二なま仏法ぞかし。
冬十月戊辰つちのえたつ己巳つちのとみ、皇子大津謀反むほん発覚あらはれぬ。皇子大津を逮捕とらふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)