“喞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かこ73.9%
くわ7.6%
ふく6.5%
すだ3.3%
くは2.2%
ごち2.2%
な2.2%
かこた1.1%
こぼ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若狭(わかさ)から越前へ移って、そこの朝倉義景(あさくらよしかげ)へ身を寄せたところ、ここに、朝倉家の家中には容(い)れられず、不遇を喞(かこ)っていた一人物がいた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男は手暴(てあら)く重太郎を突き退(の)けると、彼は椿の枝を持ったままで地に倒れた。これで黙っている重太郎ではない、椿の枝を口に喞(くわ)えて又跳ね起きた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、あらましは、事情に詳(くわ)しい守人(もりと)が、噛(か)んで喞(ふく)めるように聞かせてくれた。甚助が生れたその年のことだというから、天文十六年のことにちがいない。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、其處(そこ)に、又(また)此處(こゝ)に、遠近(をちこち)に、草(くさ)あれば、石(いし)あれば、露(つゆ)に喞(すだ)く蟲(むし)の音(ね)に、未(いま)だ嘗(かつ)て可厭(いや)な、と思(おも)ふはなかつたのである。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おどけて、くどくどと喋(しやべ)つてゐる富岡の紫色の唇が、ゆき子には印象的だつた。富岡は煙草を出して、べとべとに煙草を喞(くは)へこんでは喋つてゐる。眼が濁り、髪が額にたれさがつてゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
音たてぬやうに廊下に出ると前栽(ぜんさい)の草むらに切りに蟲が喞(な)いて居る。冷い板を踏んでやがて臺所の方に出た。平常は明け放してある襖が矢張り冷いからだらう今夜はきちんと閉めてある。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
十兵衞がのつそりで浮世の怜悧(りこう)な人等(たち)の物笑ひになつて仕舞へばそれで済むのぢや、連添ふ女房にまでも内〻活用(はたらき)の利かぬ夫ぢやと喞(かこた)れながら
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と喞(こぼ)してゐた。一度昌作に代つて読手になつたが、間違つたり吃つたりするので、二十枚と読まぬうちに富江の抗議で罷(や)めて了つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)