“喞々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しよく/\28.6%
しつじつ14.3%
しょくしょく14.3%
しよくしよく14.3%
そく/\14.3%
ショクショク14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大井おほゐ中津川なかつがはの諸驛を過ぎて、次第に木曾の翠微すゐびちかづけるは、九月もはや盡きんとして、秋風しうふう客衣かくいあまねく、虫聲路傍に喞々しよく/\たるの頃なりき。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
唐の張鷟ちょうさくの『朝野僉載ちょうやせんさい』に、嶺南の獠民、鼠の児目明かず、全身赤くうごめくものに、蜜を飼い、はしはさみ、取って咬むと喞々しつじつの声をなす、これを蜜喞みつしつといいて賞翫するとあり。
春雨秋風人のうなく、謖々しょくしょくたる松声は、日本男児の記念たる桜花の雪に和して吟じ、喞々しょくしょくたる虫語は武蔵野の原より出でて原に入る明月の清光を帯んでむせぶ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
かう云ふ有様ですから、追々と涼しくなつて来るといつしよに、所謂虫声喞々しよくしよく。あたりがごく静かですから昼間でも啼いて居ます。雨のしとしと降る日でも啼いて居ります。
入庵雑記 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
朱荷曲池しゆかきよくちのあと、緑萍りよくへう蒼苔さうたいふかくとざして、寒蛩かんきよう喞々そく/\たり、螢流けいりう二三點にさんてん
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うれしきは早暁起きて喞々ショクショクと秋の虫鳴く声を聞くとき
枕上浮雲 (新字旧仮名) / 河上肇(著)