“音”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ね52.8%
おと37.4%
おん6.0%
と1.2%
ネ0.7%
いん0.6%
こゑ0.4%
をと0.2%
おど0.2%
オン0.2%
かん0.1%
こえ0.1%
ことば0.1%
ごゑ0.1%
シラブル0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供(こども)らは、はじめのうちは、おじいさんの弾(ひ)くバイオリンの音(ね)を珍(めずら)しいものに思(おも)って、みんなそのまわりに集(あつ)まって聞(き)いていました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
こまかき雨(あめ)ははら/\と音(おと)して草村(くさむら)がくれ鳴(なく)こほろぎのふしをも乱(みだ)さず、風(かぜ)一(ひと)しきり颯(さつ)と降(ふり)くるは彼(か)の葉(は)にばかり懸(かゝ)るかといたまし。
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
能登(のと)の「ワゲシ」は最(もつと)もこれに近(ちか)い音(おん)を有(いう)する鳳(フング)至(シ)の二字(じ)によつて示(しめ)されたのが、今(いま)は「ホーシ」と讀(よ)む者(もの)がある。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あなあはれ、遠田の蛙、また聴けば、遠く隔てて、夜の闇の瀬の音(と)隔てて、いや離(さか)りうち霞み鳴く。また寄せて近まさり鳴く。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さうして、時々聲に出して誦(ジユ)する經の文(モン)が、物の音(ネ)に譬へやうもなく、さやかに人の耳に響く。聞く人は皆、自身の耳を疑うた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
... 俳劇なんぞ百作ったって二百作ったって、亡国の音(いん)じゃ駄目だ」寒月君は少々憤(むっ)として、「そんなに消極的でしょうか。私はなかなか積極的なつもりなんですが」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ここに天(あめ)の佐具賣(さぐめ)一三、この鳥の言ふことを聞きて、天若日子に語りて、「この鳥はその鳴く音(こゑ)いと惡し。かれみづから射たまへ」
ある日(ひ)の午後(ごゞ)。ぱちツと不思議(ふしぎ)な音(をと)がしました。莢(さや)が裂(さ)けたのです。豆(まめ)は耳(みゝ)をおさえたなり、地(ぢ)べたに轉(ころ)げだしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「さあ、息(いぎ)の音(おど)あ為(さ)ないがけあな。口(くぢ)も無いようだけあな。」
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ぢや、お前の一(イチ)を取つて英一とするか? だがそれぢや弟の英二郎と音(オン)がつくからな?」
父を売る子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
五音(かん)の調子が少し外れて、礼儀正しい一粒選りの言葉のうちにも、何んとなく享保二年の江戸の町には通用しそうも無い、一種言うに言われぬ古めかしさがあります。
ここには鳥の音(こえ)、散る花などの印象が、単に暦の知識という以上に複雑な連想によって、屈曲されつつ現わされている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
かくてかの靈、聲姿ともにゆかしく、その初の音(ことば)に添へて物言へり、されど奧深くしてさとるをえざりき 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此の大臣もまた「形美麗に有様いみじきこと限りなし」「大臣のおん形音(ごゑ)気はひ薫(たきもの)の香(か)よりはじめて世に似ずいみじきを云々」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
音(シラブル)と、発音と、意味の、きはだつて孤立した三つのものゝ重なりの単純な効果のめざましさに、谷村は心を奪はれた。