“観音”のいろいろな読み方と例文
旧字:觀音
読み方割合
かんのん68.2%
かんおん13.6%
くわんおん11.4%
くわんのん4.5%
カンキン2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と源十郎が前方の栄三郎をみつめているうち、花川戸はなかわどのほうへ下らずに、栄三郎はまっすぐに仁王門から観音かんのんの境内へはいりこむ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それからそこの清水しみずあらいきよめて、長谷寺はせでら観音かんのんさまのほういて手をわせながら、
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「そうそう、藺笠いがさをかぶっておりましたが、年は十五、六、スラリとして、観音かんのんさまがお武家ぶけになってきたようなおすがた」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その連れ立って行こうという神の名が、こちらでは道祖神どうそじん・山の神またはほうきの神、或いは地蔵じぞう観音かんのんを誘いにくるともあって
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大辻助手は、うなりたいのを、こえをだしてはたいへんと、口の中にのみこんで、一生けんめい観音かんのんさまを心の中でおがんだ。すると、しばらくたって、
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
須弥壇は四座しざあって、壇上には弥陀みだ観音かんおん勢至せいし三尊さんぞん二天にてん六地蔵ろくじぞうが安置され、壇の中は
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と其の日は墓詣りに行き、今日は観音かんおん明日あす何処どこと遊歩にまいり、帰りにお汁粉でも食べて帰る位でございます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
釈迦しゃか文殊もんじゅ普賢ふげん勢至せいし観音かんおん御像おすがたはありがたいわけではありませんか。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巡「別にうちもございませんから、お寺様のお台所だいどこかして戴いたり寺中じちゅう観音かんおんさまのお堂のお縁端えんばたへ寐たりいたして、何処と云ってさだまった家はありません」
釈迦しゃか文殊もんじゅ普賢ふげん勢至せいし観音かんおん、皆、名があるではありませんか。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
観音くわんおんさまのいちだわね。今夜こんや一所いつしよに行かなくつて。あたい今夜こんやとまつてツてもいゝんだから。」
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それぢやアくるませよう、うして浅草あさくさ観音くわんおんさまへれてゆかう。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わが吉利支丹キリシタンの徒の事蹟をせるを以て、所謂いはゆる「南蛮もの」を蔵すること多からんと思ふ人々もなきにあらざれども、われは数冊の古書のほかに一体のマリア観音くわんおんを蔵するに過ぎず。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
極楽寺ごくがくじ光緒くわうしよ十二年に建てた支那の寺院で、山層を利用して幾段にも堂舎をき上げ、巨額の建築費を要したものだけに規模は大きいが、中に安置した釈迦、観音くわんおん、四天は布袋ほていの巨像と共に美術的の価値は乏しい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
深い天井の下に、いつまでも変らずにある真鍮しんちゆうの香炉、花立、燈明皿——そんな性命いのちの無い道具まで、何となく斯う寂寞じやくまく瞑想めいさうに耽つて居るやうで、仏壇に立つ観音くわんおんの彫像は慈悲といふよりはむしろ沈黙の化身けしんのやうに輝いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
麻利耶マリヤ観音くわんのんに)お母様かあさま! どうかしてやる訳には参りませんか?
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ハテな、とよく見ますと、それは女ではなくて観音くわんのんさまでした。
天童 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
客の一人、わたしは麻利耶マリヤ観音くわんのんが笑つたやうに見えた。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
麻利耶マリヤ観音くわんのん、そんな事を云ふものではありません。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
生き観音ミンチ・カンキン、おう、まことの観音カンキンとは貴女あなたさまじゃ。毘沙門天ヴィシュラヴナの富、聖天カネシャの愉楽を、おう、われに与えたまえ」
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)