“聖観音”の読み方と例文
読み方割合
しょうかんのん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一は薬師寺聖観音しょうかんのん、法隆寺壁画などにおけるごとく、直観の喜びの表現を著しい合理化の傾向と結合して遂行せるものである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
むしろ、苦患くげんを生きてゆかねばならぬ親こそ、ごうの深い者なのだろう。……と思って、須弥壇しゅみだんを仰ぐと、金色の聖観音しょうかんのんの御手に、亡きわが子は、抱きとられているかとも見えてくる。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たちばな夫人念持仏の厨子ずしを中心にして、左側に百済観音、右側に天平てんぴょう聖観音しょうかんのんが佇立していたが、それを比べるともなく比べてながめながら、しかし結局私は百済観音ただ一茫然ぼうぜんとしていたようである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)