“聖像”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せいざう18.2%
せいぞう18.2%
ピエタ18.2%
アイコン9.1%
みぞう9.1%
イコン9.1%
イコンタ9.1%
イコーナ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山百合やまゆりのマルタゴン、いろい眼をしたマルタゴン、東羅馬ひがしろおまの百合の花、澆季皇帝げうきくわうてい愛玩あいぐわん聖像せいざうかう
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
アンドレイ、エヒミチは体裁悪きまりわるおもいながら、聖像せいぞう接吻せっぷんした。ミハイル、アウエリヤヌイチはくちびる突出つきだして、あたまりながら、またも小声こごえ祈祷きとうしてなみだながしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
奉行からはその後なんの便たよりもなかった。そしてその聖像ピエタは四日たっても帰っては来なかった。裕佐はいらだって来た。
円天井まるてんじょうの下には、十ばかり聖像アイコンがあるのみで、金色燦然たる天主教の聖器類は影も形もなく、装飾箔を剥がした跡さえ所々に残っていた。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これ、フェチニヤ、羽根蒲団と枕と敷布を持っておいで、ほんとに、何という悪い天気になったものでございましょうね、ひどい雷鳴かみなりさまで——わたしは一晩じゅう聖像みぞうにお燈明とうみょうをあげていたんですよ。
アレクサンドラ皇后は皇女やウィルウボヴァ夫人と埋葬式に立会い、棺の中へ聖像イコンを入れ、死体の胸にペンキで自分の名を書き、懇ろな祈文メモアールを捧げた。
淪落の皇女の覚書 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一弾はアナスタジアの頬をかすめて聖像イコンタを粉々に砕き、きっぱりとした見せしめを受けた。
淪落の皇女の覚書 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
死んだ母親がナースチャにくれた聖像イコーナであった。聖像は、ほんの小さい二寸角ばかりのもので、なんだかわからない古い厚い板に、金もののキリストと聖者がついていた。
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)