“接吻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せっぷん49.2%
くちづけ15.5%
キッス10.7%
キス5.6%
キツス4.4%
せつぷん4.0%
きつす2.4%
きす2.0%
くちつけ1.6%
くちづ1.2%
ベエゼ1.2%
くちつ0.8%
セップン0.8%
なめ0.4%
ベーゼ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宮田は彼女の頬を両手ではさみその美しい唇を、接吻せっぷんにまで持ち上げるときのことを考えると、なやましいまでに、感情が昂奮した。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
我また見しにあたかもかの女の奪ひ去らるゝを防ぐがごとく、ひとりの巨人その傍に立ちてしば/\これと接吻くちづけしたり 一五一—一五三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そうして妾は力一ぱい貴方を抱いて、つづけさまに二十ぺんも接吻キッスしてあげるわよ、貴方が息ができなくて、苦しくなってくるまで
華やかな罪過 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
待って、と言う間もなく、少年は身をかがめて犬に接吻キスしたかと思うと、すばやくドアを閉め、闇の中へ走り去ってしまいました。
「馬鹿め、あんなに接吻キツスまでして呉れようといふんだ、何だつて私は独逸人をこの口で噛み殺しましたと言はなかつたんだ。」
しかし、突然夫に接吻せつぷんしたと思ふと、その次の瞬間には、夫の手を振りはらひながら露台のはしへ駆けてくが早いか、はるか下へ身を投げてしまつた。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「だが、胸が悪くおなりになるといふのは、貴方があまり有平糖キヤンデイをおめ過ぎになつたからでせうよ、接吻きつす位で御辛抱になつたらどんなものです。」
熟した麦の香の漂ふ夜路に、あたたかい接吻きすの音が幽かに三度みたび四度よたび鳴つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しみじみと身に染みるもの、油、香水、痒ゆきところに手のとどく人が梳櫛すきぐし。こぼれ落ちるものは頭垢ふけと涙。湧きいづるものは、泉、乳、虱、接吻くちつけのあとのおくび、紅き薔薇さうびの虫、白蟻。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
地面には水が溜っていて、月が接吻くちづけているからであろう。紋也は少しく距離を置いて、家のようすを一渡り見た。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこで別れの接吻ベエゼなどしてから、おたがいに、片手をあげては、スカアルの小さくなるまで、合図をかわしていました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
かくもまたとともに接吻くちつけて接吻くちつけて、接吻くちつけてほのかにも泣きつつあらば、あはれ、またなにの願か身にあらむ、ああさるをなほ女、はなにかりする
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
その穏かな波の面を幾度いくたびも幾度も接吻セップンするのは数千のかもめの群である。鴎の群は白銀のような素晴らしい翼を翻えしては、さっと海面へ落ちて来て飛魚をさらっては逃げるのであった。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それぢやあ接吻なめさせるけえ? おめえらみんな接吻なめてやらあ!……」
「ただ、お友達の印だけの、かるい接吻ベーゼがほしかったのに……まるで、恋人同士みたいなこと、するんだもの、あんなのいや。」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)