“頭垢”の読み方と例文
読み方割合
ふけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同時にムウッとする程の頭垢ふけの大群が、天窓の光線に輝やきながら頭の周囲に渦巻いた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
胡麻塩頭ごましおあたまの中へ指を突っ込んで、むやみに頭垢ふけを掻き落す癖があるので、むかいの間に火鉢ひばちでも置くと、時々火の中から妙なにおいを立てさせて、ひどく相手を弱らせる事があった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しみじみと身に染みるもの、油、香水、痒ゆきところに手のとどく人が梳櫛すきぐし。こぼれ落ちるものは頭垢ふけと涙、湧きいづるものは、泉、乳、虱、接吻くちづけのあとのおくび、紅き薔薇さうびの虫、白蟻。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)