“薔薇”の読み方と用例
読み方(ふりがな)割合
ばら81.7%
さうび7.2%
そうび2.8%
うばら1.6%
ローズ1.6%
(その他)5.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“薔薇”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語30.2%
文学 > 日本文学 > 詩歌4.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
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夜は次第に明けて行つた。彼はいつか或町の角に広い市場を見渡してゐた。市場にむらがつた人々や車はいづれも薔薇ばら色に染まり出した。
〔出典〕或阿呆の一生(新字旧仮名)/芥川竜之介(著)
ここにも夜店がつづき、ほこらの横手のやや広い空地は、植木屋が一面に並べた薔薇ばら百合ゆり夏菊などの鉢物に時ならぬ花壇をつくっている。
〔出典〕濹東綺譚(新字新仮名)/永井荷風(著)
信吾はそれに挨拶をし乍らも、頭を下げた清子の耳の、薔薇さうびの如く紅きを見のがさなかつた。
〔出典〕鳥影(新字旧仮名)/石川啄木(著)
まだ巣ごもり居て、薔薇さうびの枝の緑の葉をついばめども、今生ぜむとする蕾をば見ざりき。
〔出典〕即興詩人(旧字旧仮名)/ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)
つた薔薇そうびつる欄にからまり、庭苑の高きくさむら、垂れかかる樹枝などと共に、ぎっしりと深き茂陰を成す。
昔の思われる花橘はなたちばな撫子なでしこ薔薇そうび木丹くたになどの草木を植えた中に春秋のものも配してあった。
〔出典〕源氏物語:21 乙女(新字新仮名)/紫式部(著)
高祖保よ の鉢に植ゑるがいい 四季咲きの薔薇うばら一輪その匂ひがおまへの臭みを消す
〔出典〕(新字旧仮名)/高祖保(著)
わが庭の薔薇うばらのとぼそ春過ぎてくれなゐ久し夏はくるしき
〔出典〕白南風(旧字旧仮名)/北原白秋(著)
クリヴォフ夫人は、それまで胸飾りのテュードル薔薇ローズ(六弁の薔薇)をいじっていた手を卓上に合わせて、法水に挑み掛るような凝視を送りはじめた。
〔出典〕黒死館殺人事件(新字新仮名)/小栗虫太郎(著)
その玉は所謂紅玉ルビー色で、硝子で薔薇ローズカットが施こされていて、直径五分ばかりのものだ。
〔出典〕毛の指環(新字新仮名)/宮本百合子(著)
そはわれいばらが、冬の間はかたく恐ろしく見ゆれども、後そのこずゑ薔薇しやうびの花をいたゞくを見 一三三―一三五
〔出典〕神曲:03 天堂(旧字旧仮名)/アリギエリ・ダンテ(著)
さればがう屋敷田畝やしきたんぼ市民しみんのために天工てんこう公園こうゑんなれども、隱然いんぜんおう)が支配しはいするところとなりて、なほもち黴菌かびあるごとく、薔薇しやうびとげあるごとく、渠等かれらきよほしいまゝにするあひだは、一にんこのをしむべき共樂きようらくそのおもむものなし。
〔出典〕蛇くひ(旧字旧仮名)/泉鏡花泉鏡太郎(著)
現代における思潮の淵源、天堂と食堂を兼備えて、薔薇しょうび薫じ星の輝く美的の会合、とあって、おしめとたすきを念頭に置かない催しであるから、留守では、芋が焦げて、小児こどもが泣く。
〔出典〕婦系図(新字新仮名)/泉鏡花(著)
今は昔し薔薇しょうびらんに目に余る多くの人を幽閉したのはこの塔である。
〔出典〕倫敦塔(新字新仮名)/夏目漱石(著)
それは手許に本がないからはっきりしたことは申上げかねますが、何でも一本の薔薇バラの木にいる昆虫の数をしらべてみると十数種になるとかいうような話でありました。
〔出典〕俳句の作りよう(新字新仮名)/高浜虚子(著)
村には家屋敷がおよそ二十ばかり、その鎧戸は、みんな明るい緑色か、青空そのままの色に塗られ、屋根は、多くはあか薔薇バラ色、または黒と白のまだらに塗られていました。
薔薇いばらみち、蹈めば濡羽ぬれはのつばくらめ、
〔出典〕第二邪宗門(新字旧仮名)/北原白秋(著)
はや、永劫の月の彼方に没したるなり、あゝわれは涙なす宿星のふところに入らばや……されど、みめぐみに充ちし瑠璃の輝きこそは、あゝ、きたるまじ、われはかく双手さしのべて願へども、はらはらと散り失せし薔薇しようびが花弁を追ふによしなし、
〔出典〕嘆きの孔雀(新字旧仮名)/牧野信一(著)