“脳裡”のいろいろな読み方と例文
旧字:腦裡
読み方割合
のうり84.8%
あたま10.6%
なうり4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「礼に来てはならん。」という侍の言葉が脳裡のうりに刻まれているので、伝二郎はおっかなびっくりで裏口から哀れな声で訪れてみた。
善とか悪とか云ふ事も全く脳裡あたまから消えて了つて、渠はそれからそれと静かに考へを廻らして居たが、第一に多少の思慮を費したのは
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あの言葉は、忘れ去つてゐた古傷に、さはられたやうな痛さである。赤羽の工兵隊に召集されて、南京ナンキン攻略に行つた時の、あの憂欝いううつな戦争が、脳裡なうりをかすめた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)