“うばら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウバラ
語句割合
薔薇38.5%
優鉢羅15.4%
卯薔薇15.4%
菟原7.7%
兎原7.7%
荊棘7.7%
荊蕀7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わが庭の薔薇うばらのとぼそ春過ぎてくれなゐ久し夏はくるしき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
風は優鉢羅うばらの花の香か。
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
季節は卯薔薇うばらの花乱れ咲く春、それも極くのどかなひるさがりと思ひたい。霧の深い秋のことではなかつたらう。アスカムのとしは三十六か七か、それにしては悠々たる足どり。やがて城を登る。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
右馬うまかみ菟原うばら薄男すすきおはとある町うらの人の住まない廃家の、はや虫のすだいている冷たいかまどのうしろにこごまって、かくれて坐っていた。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
生絹はまだ明るい夕あかりのなかにまごう方もない、菟原うばら薄男すすきおを見たのであった。頬はくぼみ眼はおとろえ、これが薄男の右馬うまかみとはどう考えても信じられぬほどであった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
津の国兎原うばらの山下に小さい家を作って住んでいた彼に、やっと宮仕みやづかえする便りが訪ずれた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
八七山院人とどまらねば、八八楼門ろうもん八九荊棘うばらおひかかり、九〇経閣きやうかく九一むなしく苔蒸こけむしぬ。
木立こだちわづかにきたる所に、つちたかみたるが上に、石を三かさねにたたみなしたるが、二三荊蕀うばら薜蘿かづらにうづもれてうらがなしきを、これならん御墓みはかにやと心もかきくらまされて